2050年

 「2050年の世界地図」"http://www.amazon.co.jp/dp/4140815353"を読んだ。前半はそれほど珍しい話ではない。人口や資源問題、グローバル化、気象変動といった面から予想できる将来をまとめており、まあどこかで読んだような話が中心となっている。この本ならでは、といえる部分は後半。即ち北極圏に関する話をまとめている部分だ。
 温暖化によって寒冷地の気温が上昇し、そこが人間の活動地として今より注目を集めるというのは理屈から言えばその通り。とはいえそれを具体的に(将来生じうるマイナス面も含めて)詳細に紹介している本はあまりない。北極圏の専門家がどのように見ているかを知るだけでも、読む価値があると言える。
 ただ、北極圏に話を集中しているため、その他の地域についての言及は決して多くない。人口的にも面積的にも北極圏よりそれ以外の地域の方が大きいのだが、その分が目立たなくなるのは確かだ。そして割と明るい見通しの多い北極圏に比べ、他地域は決して明るくはない。温暖化は海辺にある大都市の多くを水没させ、増える人口は多くの資源を食らい、水を巡る問題はむしろ乾燥の進む中緯度から低緯度地域でより深刻になる。
 現代という時代が過去の歴史時代よりずっとマシ(平均寿命で見ても、健康度合いで見ても、物質的な豊かさで見ても)なことを考えるなら、先行きに色々問題があるからと言ってそんなに悲観する必要はない。とはいえ今までのように暢気に構えていてもどうにかなる時代でもなさそうだ。今この時代に生きている我々は、人類の歴史上でどの程度の幸運に恵まれていたのか、そんなことを考えさせられる本である。
 でも一番面白かったのは、著者がカナダのミューチャルファンドを購入しているという話。うん、少なくとも本で書いていることと歩調は合っている。
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