NFL Championship

 また何ともグダグダ感の漂うChampionshipだった。各QBのNY/AとANY/Aを見ると、AFCではFlaccoの7.23と7.10に対してBradyが6.32と3.89、NFCもSmithの6.14と7.52に対してManningが4.17と4.80となっており、要するに負けた方が成績がいい。2試合とも得点との相関性が高いANY/Aで劣っている側が勝利するという、珍しい結果になったことが分かる。
 でもまだマシなのはNFCの方か。ターンオーバーレシオを見るとGiantsの+2。ANY/Aで負けた分をここで取り戻して勝利につなげたと考えることができる。実際、2回のターンオーバーはいずれも得点に結びついており、しかもそのうち2度目は決勝点に直結している。パスの効率性で勝っていたチームがターンオーバーで負けるってのは、それほど珍しい話じゃない。
 Manningのオフェンスがきっちり押さえ込まれたという点で、San Franciscoのディフェンスは予想通りの強さを見せたと判断できる。一方、強いのか弱いのかよく分からないGiantsディフェンスだが、この試合を見てさらに分からなくなってしまった。過去2試合では強さを見せ付けていた印象があるんだが、Smithはこの試合でレギュラーシーズンより高いNY/A、ANY/Aを記録している。強いディフェンスの記録とは言えない。いったいどっちなんだか。
 
 もう1試合はもっと意味不明。AFCはターンオーバーでもBaltimoreの方が+2と優位に立っており、スタッツだけ見るとなぜ彼らが負けたのか理解できない状況なのだ。敢えて理屈を探すのならペナルティ(New Englandの1回5ヤードに対しBaltimoreが6回33ヤード)とか、ドライブ開始地点(平均でBaltimoreが自陣28ヤード、New Englandが31ヤード)の差で勝ちを拾ったと考えるしかない。
 あるいは3分を上回る長いドライブをNEが全部得点に結び付けていたのに対し、Baltimoreは終盤に2回無得点に終わったところが大きかったのかもしれない。time of possessionが多いにもかかわらず負けたのは、時間を無駄に費やした結果だとも解釈できる。結果としての数字だけ見ても細かい勝負の綾までは分からないことが多いという事例になるのだろう。いずれにせよ珍しい試合だったのは間違いない。
 New EnglandについてはBradyは不調だったがディフェンスが奮闘したとの見方もある"http://www.nfljapan.com/headlines/29985.html"。でも、これも数字を見る限り、とても奮闘したとは言えない。Flaccoの成績は明らかにレギュラーシーズンよりいいし、ランで許した距離も100ヤード超としっかり時間を稼がれている。第一、ターンオーバーは1回しか奪えていない訳で、相手をしたQBの質まで踏まえるならBaltimoreディフェンスに比べ圧倒的にダメなディフェンスだったとしか言いようがない。
 むしろがんばったのはSTだ。パントやキックオフの後にBaltimoreが攻撃を始めた場所を見ると、相手陣20~22ヤードの間に綺麗に収まっており、Baltimoreに長いドライブを強いていたことが分かる。一方、こちらがリターンした際には自陣35ヤードより進んだ地点からスタートできたのが4回もあった。不調すぎるオフェンス、とても奮闘したとは言えないディフェンスを支え、陣地を巡る争いを優位に進めることで勝利をたぐりよせたSTこそが勝因だったと言ってもよさそうである。
 
 過去のSuper Bowlと同じ組み合わせになるのは興醒めなのでGiantsには負けてほしかったのだが、こうなった以上は面白い試合にしてもらうよう期待するしかないだろう。さてこの試合は丁半博打になるのか、それとも実力差がものをいうのか、そして実力差で決まるとしたら果たしてどちらが強いのか。
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