成績と観客・1

 NFLは相変わらずロックアウトが継続中。労使交渉は暗礁に乗り上げたままで今シーズンが開催されるかどうか今なお見通せないようだ"http://www.nfljapan.com/headlines/20909.html"。それでもドラフトだけはやることが決定しているが、ドラフト開催はもう少し先。という訳で本日は別のスポーツの話を。
 
 こちら"http://oyoguyaruo.blog72.fc2.com/blog-category-295.html"で今年のJリーグに参加しているチームを面白おかしく紹介している。正直、W杯ですらまともに見ない(除くスタッツ)私がJリーグの動向など知っている筈もないのだが、改めて読んでみると結構面白いことになっているようだ。観客数は一時期より増えてきたとか、そうはいっても一部のチームは経営難だとか、そういう経済環境がらみの話は比較的耳に入ってくるものの、どのチームが強くてどこが今一つなのかといった部分についてはよく知らなかったので、楽しんで読んでいる。
 何より気がつけば18年の歴史を積み上げてきたことで、各クラブに歴史の蓄積ができてきたのが大きい。何年もの歴史がなければ、例えばベガルタ仙台で取り上げられている「けさい」の話や、水戸の「お見送り」などは設立数年のリーグでは発生しようがない出来事だろう。こうしたお笑い系の話だけでなく、もちろん優勝経験など前向きな意味での歴史もあるし、そうしたものがあればそれだけファンじゃなくてサポーターを惹きつけやすくなる。
 そして歴史が積みあがれば、私の好きなスタッツ分析も(データが増えるので)やり易くなる。と思って早速過去の成績を調べようとしたのだが、公式サイト"http://www.j-league.or.jp/"には通算成績はあるものの年ごとの成績は「歴代チャンピオン」"http://www.j-league.or.jp/j1/champion.html"くらいしか見当たらない。年度別成績(英語で言うStandings)がどこにあるのか、そもそも存在するのか、サッパリ分からないのだ。
 仕方ないので年度別成績はwikipediaから採用。最初の頃は勝敗がつくまでゲームをやって勝ち数のみで順位を決めていたことを、改めて思い出したりした。で、今回調べてみたかったのは成績と観客動員との相関性。幸い、観客動員は公式サイトに記録があるのでそれを利用した。期間は発足の年1993年から、昨2010年まで。
 
 まず調べたのは、年ごとに成績と観客動員の間にどの程度の相関性があるか。事前の予想では「ある程度の相関はあるがそれほど強くない」というもの。成績のいいチームは客が増えるし、悪いと減るだろうが、一方でチームごとにベースになる客の数が違う(埼玉などは異常に多い)ため、それほど明確な傾向は出ないと思われるからだ。比較するのは、勝ち数で順位を決めていた1994年までは勝ち数で、以後は勝ち点。2001年までは前期と後期の優勝チームがチャンピオンシップを行って最終的な優勝チームを決めていたが、今回はそのあたりは無視した。
 で、実際に調べてみるとある意味こちらの予想通り。1993から98年までは1リーグ、1999以降はJ1とJ2の延べ30シーズンのうち、「中程度の正の相関」とされる0.4~0.7の範囲に入ったのが13シーズンで最も多かった。弱い正の相関となる0.2~0.4は9シーズン、ほぼ無関係(-0.2~0.2)が4シーズン、強い正の相関(0.7~)も4シーズン。全体の平均も0.437となっている。
 ただ、予想外の部分もあった。それはJ1とJ2の違いだ。正直、調べる前はJ1の方がJ2より相関性は高くなると睨んでいた。J1ならミーハーなファンも見にくるだろうから、成績次第で客数も増減する。一方、コアなサポーターが中心にならざるを得ないJ2は、成績とはあまり関係なく一定数の観客が入る。そう思って調べたのだが、実際は逆。J1とJ2が設立された1999年以降で見ると、J1の相関性が平均0.303なのに対し、J2は0.548と明らかに高い。年ごとに見てもJ1では12年のうち弱い相関以下が10年分に達しているのに対し、J2は中程度の相関以上で10年分と実に対照的だ。
 実は2部制になる以前のJリーグは、J1よりもJ2に似ていた。6年間の相関性の平均は0.482。1年だけ(1994年)成績と観客動員がほぼ無関係となった年があったが、それ以外は全て中程度以上の相関を示していた。当時のJリーグはバブルとその崩壊という大きな変動に見舞われていたのだが、それでも今のJ1よりは成績と観客動員との間に相関性が存在していたことになる。なぜだろうか。
 1部制のJリーグとJ2の共通点(そしてJ1にはない点)といえば、どんだけ成績が落ち込んでも降格しない、という点だろう。逆にいえば、J1ならではの特徴は降格制度にあると言える。もしかしたらJ1の場合、降格範囲にあるチームをサポーターが熱心に応援するため、成績下位のチームの観客動員が相対的に増えやすいのかもしれない。普通、チームの負けが込んでくれば見に行く気をなくす人が増えるものだが、J1の場合は見に行く気を起こさせる別のインセンティブが働く。そのため成績と観客動員の相関性がより弱まり易くなっているのではないだろうか。
 あくまで想像に過ぎないし、もっときちんと分析しなければ本当のところは分からないだろうが、もし私の想像通りなら降格制度は観客動員に役立っていることになる。逆に降格制度がないJ2ではそうした歯止めがかからず、弱いチームはそのまま客が立ち寄らなくなっているのかもしれないけど。
 
 さらにチームごとの成績と観客動員の相関性も調べてみたのだが、それは次回に。
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