Super Bowl スタッツ

 Super Bowlについて続き。いくつかのサイトでゲームそのものについての分析が載っていたのでそれを紹介しよう。まずはFootball OutsidersのQuick Reads"http://www.footballoutsiders.com/quick-reads/2011/quick-reads-super-bowl-xlv"から。
 ここで取り上げているのはRoethlisbergerがclutchな選手かどうかという分析だ。といってもあまり複雑な分析をしているのではなく、単にレギュラーシーズンとプレイオフの成績を比較しているだけ。結論としては「プレイオフになって成績が上昇している様子はない、というかむしろ明確に低下している」。Roethlisberger以外にもプレイオフに10試合以上出ているBrady、Favre、Peyton、Warnerと比較しているが、Warnerを除いて大体はレギュラーシーズンより成績は低下している。Roethlisbergerも同じ。特に彼が目立ってプレイオフの成績がいいわけではない。
 まあこんなことはNew Englandファンならすぐ理解できるだろう。記憶に残っている人も多いだろうが、2004シーズンまでBradyはプレイオフ9戦全勝だった。当然、当時の彼もclutchなQBだとよく言われていたものだ。今ではそんなことを言う人はほとんどいない。つまるところ、サンプル数が少ない場合には極端な成績が出易く、それがいい方に出ればclutchと言われ、悪いほうに出れば(例えばRomoのように)重要な試合では勝てないというレッテルが貼られてしまうだけのこと。Roethlisbergerもレッテルを剥がせば普通のQBに過ぎない。
 ただ、別の意味でRoethlisbergerがclutchである可能性はある。それは4Qでの逆転劇だ。こちら"http://www.pro-football-reference.com/blog/?p=3401"で指摘しているように、キャリアの長さに比べて第4Qでの逆転回数はかなり多い。プレイオフになって成績が上がる訳ではないが、ゲーム終盤に逆転の可能性がある場合にそれを現実化する能力はある、のかもしれない。もっともこれにも異論はあり得る。例えばSuper Bowl XLII。Bradyは第4Qに逆転したものの、ディフェンスがそのリードを守りきれず再逆転を許した。同じような展開で逆転の機会を失ったQBは他にもいるだろう。Roethlisbergerが逆転が多いのは、もしかしたら「ディフェンスが強いチームにいるから」という理由かもしれない。
 
 次はAdvanced NFL Stats"http://www.advancednflstats.com/2011/02/super-bowl-45-analysis.html"。こちらの評価ではRoethlisbergerのこの試合における成績は見た目ほど悪くはない、らしい。一方のRodgersは成績通りの好調ぶりでMVPも当然としている。
 Win Probability Graphを見るとPittsburghのおかしたターンオーバーがWPを大きく引き下げていることが分かる。Mendenhallのファンブルは0.43あったWPを0.25まで引き下げているし、RoethlisbergerがCollinsにやられたPick-Sixは0.27から0.11までWPを落としている。特に反撃の流れに乗っていた段階でMendenhallがやらかした失敗はゲームの行方を大きく左右しており、かなり致命的なミスだったことが分かる。とはいえファンブルリカバーは運不運で決まるものだしPick-Sixも同じ。Pittsburghの敗北は「運がなかったため」とも言えそうだ。
 しかしこのエントリーで最も面白いのはGreen Bayが最後のFGを蹴った場面で「むしろgo for itすべきだったのでは」という分析だろう。実はgo for itで行くと失敗のケースも含めてWPは0.92期待できたのに対し、FGを蹴った場合は0.75にしかならなかったんだそうだ。go for itが成功すればその時点でゲームは事実上終了。失敗してもPittsburghは自陣5ヤードから限られた時間でのプレイを強いられる訳で、逆転まで持ち込むのは簡単ではない。最悪、FGを決められても同点にしかならず、WPは0.5にしかならないって訳だ。
 理屈の上ではその通りだろうが、現実にこの局面でgo for itをコールできるコーチはほとんど存在しないだろうな。まあ結果として勝ったから誰もFGを蹴ったことに文句はつけないだろうが、もしgo for itをしていたなら、たとえ勝ったとしても議論を呼んだことだろう。ましてそれで敗北していれば疑問のコールってことになっていたんじゃなかろうか。人間の直感というものはあまり当てにならないという一例だろう。
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