NFL Wildcard

 Pro Football Referenceのblogが面白い事前分析をしていた。今週の試合に出る8チームについて、HFAを含めどの程度のANY/A"http://www.pro-football-reference.com/blog/?p=8269"及びARY/A(ランヤードにランTD*18の数字を足してラン回数で割った数字、Adjusted Rushing Yards per Attempt)"http://www.pro-football-reference.com/blog/?p=8289"が期待できるかを調べたものだ。この数字と実際のANY/A及びARY/Aを見比べながら、Wildcardの4試合を振り返ってみよう。表の数字は左が予想値、右が実績だ。
 
Sea ANY/A 4.94 8.36
Sea ARY/A 4.70 6.68
NO ANY/A 7.23 7.16
NO ARY/A 4.28 5.14
 
 敗因はひたすらNew Orleansディフェンスにある。Seattle側から見れば勝因は期待値を大きく上回る成績を残したSeattleオフェンスのおかげだ。New Orleansディフェンスはランでもパスでも期待値よりかなり手ひどくやられており、オフェンスが期待値通り(ランはむしろ期待値を上回るほど)の活躍を見せたにもかかわらず積み重ねた得点を守ることができなかった。DCの責任が問われかねない成績である。
 
Ind ANY/A 5.48 8.85
Ind ARY/A 3.94 3.44
NYJ ANY/A 5.50 4.34
NYJ ARY/A 4.81 5.39
 
 これでなぜIndyが負けたのか理解に苦しむような数値。Jetsディフェンスはランでは頑張ったもののそれ以上にパスでやられており、オフェンスはパスが酷すぎてランの上乗せ分を帳消しにしている。普通こういう展開でデータの悪い方が勝つのはターンオーバーなどが原因になっていることが多いんだが、この試合に限ればIndyのターンオーバーはゼロだ。一体どうやってJetsは勝ったのか。
 細かな要因が複合的に働いたため、と見るしかないだろう。例えば平均ドライブ開始地点はJetsが自陣28ヤードなのに対しIndyは自陣20ヤード。タイムポゼッションはJetsが6分強上回っており、オフェンスのプレイ回数もJetsの方が3割近く多い。そして、Indyのプレイ選択がパス・ランそれぞれ27回と均等に割り振られてしまったのが拙かった。見ての通り、Indyのランプレイは全然機能していない。一方でパスは絶好調だったのだから、もっとパスを増やすべきだった。前半の僅かなリードでプレイコールが保守的になったのだとしたら、敗因はコーチ陣にある。
 逆にJetsは前半のラン13回、パス20回を後半はラン25回、パス12回にシフトしてきた。進まないパスよりも効果的なランに重点を置いた訳だ。普通、リードされたチームはパスに頼るものだが、大きな点差でなかっただけにランで行っても問題ないと判断したのだろう。この試合に関してはその判断が正しかった。もっともIndyオフェンスがもっと積極的なプレーコールをしていたら、やはり追いつけなかっただろう。こちらはむしろIndyのOCの責任が問われるのかもしれない。
 
KC ANY/A 4.75 -3.90
KC ARY/A 4.76 6.63
Bal ANY/A 6.36 7.58
Bal ARY/A 4.03 4.00
 
 さすがBaltimore。プレイオフになるとえげつないディフェンスを見せる。ランはある程度走られてもいいからパスを徹底的に潰しにきて、結果すさまじい成果を上げた。一方、目立たないながらもFlacco率いるパスオフェンスが期待以上に機能しているのも重要だ。最終的に点差がついたのはこれのおかげだろう。Kansas Cityは期待値より低い結果になったが、正直これは実力差と言うしかない。もともと楽なスケジュールのおかげで優勝したチームであり、アウェイを苦にしないBaltimore相手ではこの結果も止むを得ないだろう。
 
Phi ANY/A 4.84 6.28
Phi ARY/A 6.64 4.76
GB ANY/A 6.61 7.97
GB ARY/A 4.22 4.31
 
 Green Bayディフェンスの作戦勝ち、ということになるのだろうか。見ての通り、圧倒的な破壊力を誇ってきたPhiladelphiaのランをしっかり止める一方、パスはある程度投げさせる作戦に出てきた。Vickは走られる方がずっと怖い。投げてくれる分には進まれてもOK、と割り切った対応である。結果この作戦は大成功。Vickの8回のランは平均4.1ヤードに押さえ込まれ、彼はパスに頼るほかなくなった。今シーズンのVickは決して悪いパッサーではないのだが、Rodgers相手に投げ勝てるほどの力はなかったということだろう。そのRodgersが地味に期待値よりいい成績を上げているのもGreen Bayが逃げ切れた要因だ。
 
 またWildcard後のDVOA"http://www.footballoutsiders.com/dvoa-ratings/2011/week-18-dvoa-ratings"を見ると今週の試合ではSeattle以外はアップセットでなかったことも分かる。確かにGreen BayとPhiladelphiaの勝負はかなり実力の接近した組み合わせだったが、BaltimoreとKansas Cityは結構差があるし、JetsもIndyより強い。そもそも単純に勝率だけ見てもWildcardではGreen Bay @ Philadelphiaを除いてアウェイチームの方が勝率が高いわけで、少なくとも今シーズンについては一部の地区優勝チームよりワイルドカードの方が強いのは間違いないだろう。
 しかし次のDivisionalはそうはいかない。4試合のうちレギュラーシーズンの勝率が同じなのはBaltimore @ Pittsburghだけで、残りは全てホームチームの方が勝率は高い。DVOAのランキングでもアウェイチームの方が強いのはGreen Bayのみ。Playoff Odds"http://www.footballoutsiders.com/stats/playoffodds"でもConference Championship出場の可能性が高いのはプレイオフ1回戦を休んだ4チームの方だ。もちろん、それでもアップセットはあると思うが、全体としてはシード順上位が勝ち上がる確率が高そう。
 ちなみにNew Englandはオフェンスはともかくディフェンスがいつの間にやらリーグ10位にまで上がっている。この数値はWeighted DVOAでありシーズン初頭の成績が占める比重がかなり少なくなっているのが要因。つまりそれだけシーズン終盤のディフェンスが向上していたことを示している。後はプレイオフでもディフェンス及びオフェンスがレギュラーシーズン通りの実力を発揮できるかどうかが課題だろう。New Orleansディフェンスのようになることもあるので油断は禁物だ。
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