今年の特徴は先発40試合超の選手が1人もいないこと。去年は2人(McCoyにいたっては50試合超)もいたのに。逆に30試合未満の選手は3人もいる(去年は1人)。要するにドラフト上位と評判のQBたちは、実は経験不足なのではないかとの疑念があるわけだ。特にSophomoreのLuckなどはそもそもドラフト対象になっていることが驚き(試合には全く出ていない08年も一応記録が残っているので、高校卒業後3年というルールは一応満たしている)。試合数で見てプロでの成功要件を満たしているのはLocker(出場40試合、先発39試合)だけで、当落線上にいるのがMallett(Sugar Bowlに先発すれば出場37、先発32)だ。
一方、パス成功率を見ると合格点ともいうべき60%超は3人いる。ただし、去年は3人もいた65%超は今年は1人もいない。最大の問題は試合経験の多いLockerがパス成功率では53.9%と5人の中で最低レベルであることだろう。Mallettも58.1%とまたまた微妙な数字。つまり、試合数及びパス成功率の双方で合格と言える選手が1人も存在しないのだ。こういう選手がドラフト上位と評価されているあたり、今年のドラフトは実はQB不作なのかもしれない。
特に先発経験が乏しいのは、Orange Bowlに先発してもなお25試合の先発にとどまるLuck。まあアーリーエントリーしない可能性もあるのでその場合は対象外だが、対象になれば「ドラフト1位指名間違いなし」という論調になっているのはある意味凄い。逆に言えばそれだけスカウトの評価が高いってことなんだろうが、結構リスキーな選択ではある。もし彼がアーリーエントリーをやめ、もう1年大学でプレイしてからドラフトに来るのなら喜んで指名できるんだろうけど。
それでもまだLuckの経験はBowl Subdivisionでの試合ばかりだからマシ。最大の問題はHeisman受賞者のNewtonだ。実は彼、昨年まで短大のBlinn Collegeでプレイしていたのである。より正確にはFloridaで1年ちょっと(07-08年)控えをやり、トラブルを起こしてBlinnに転じ、そこで09年いっぱいプレイして10年にまたFBSのAuburnに戻ってきたのだ。BCS National Championshipに先発したとしても、彼のFBSでの先発経験はやっと14試合のみ。百歩譲って短大での先発を入れても試合数は26にしかならない。
エースQB不在でドラフト上位のQB指名を狙っているチームは今年は多そうだ。しかし、その対象となっている選手たちを見るとこんな具合。もちろん、大学での先発試合数が少なかった選手の中にもFlaccoやRodgersのようにプロで成功するQBはいるのだから、今年のQBだって上手くやれる可能性は十分にある。でも一方で先発試合数30未満というQBの中にはCouch、Russell、Carr、Alex Smith、Harrington、そしてRyan Leafといった面々がいることもまた事実。ドラフト上位指名権を持つチームにとって、今年は難しい年になりそうだ。
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