Mission "Not Impossible"

 恐れ入った。はやぶさのカプセル内にある微粒子がどうやらイトカワ起源であることが確定したらしい"http://www.jaxa.jp/press/2010/11/20101116_hayabusa_j.html"。極めて小さなサイズの粒子だが、約1500個がイトカワのものだそうなので、これはもう立派な成果といえるだろう。月以外の天体の表面からクリーンな状態で持ち帰られたサンプルは世界初だそうで、JAXA理事長が言っているようにまさに「人類にとって共通の価値ある財産」である。
 おまけに、今回調べたのはサンプルキャッチャーA室で見つけた微粒子のみ。A室は1秒しかイトカワ表面にとどまっていなかった2回目のタッチダウン時に使われたもので、30分もいた1回目のタッチダウン時に使われたB室はいまだ開けられてないようだ"http://journal.mycom.co.jp/articles/2010/08/13/hayabusa_sample/index.html"。A室の調査が続けばいずれはB室も開ける時が来るだろうし、その際にはさらに大きな成果も期待できる。
 海外でも早速Planetary Society Blogがこの話を紹介している"http://www.planetary.org/blog/article/00002775/"。コメント欄には「おめでとうはやぶさ!」の声も。またこのBlogははやぶさ以前にサンプルリターンを試みたジェネシス(太陽風から集めた微粒子を持ち帰る際に地表に衝突)やスターダスト(彗星の尾の粒子などを採取して帰還)についても紹介している。
 とにかくこれではやぶさは当初目指していた500点の目標に到達したことになる。ほとんどの人が届かないだろうと思っていた目標を達成してしまったんだから素晴らしい。日本の宇宙開発史上に残る探査機になった。もっともはやぶさがこれほどトラブル続きの機体でなかったら、ここまで話題にはならなかっただろう。せいぜいikaros程度の盛り上がりだったんじゃなかろうか。だが、何にせよ結果を残したのは大きい。結局のところ、世間は結果で評価する。そして、結果を残せば(場合によっては実力以上に)高い評価を受け、残せなければ評価はがっくりと落ちる。昔からそうだったし、おそらくこれからもそうなんだろう。

 という訳ではやぶさに関してはこれで一段落(もちろん研究者にとってはこれからがサンプル分析の本番だろうけど)。つぎはあかつき"http://www.jaxa.jp/countdown/f17/index_j.html"の金星軌道投入が来月にある。
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