NFL第8週が終了。一向に実感がわかないのだが、気がつけばNew Englandがリーグトップの成績になっている。今週の相手は絶不調のMinnesotaだったので勝てるとは思っていたが、JetsとPittsburghがまとめてコケるとは考えもしなかった。もっともこの後も11月から12月にかけて厳しい試合があるので現在位置が安泰だとはとても思えない。Football OutsidersのDVOA"
http://www.footballoutsiders.com/dvoa-ratings/2010/week-8-dvoa-ratings"を見ても前週に引き続き3位。上位6チームにはほとんど差がない。
オフェンスDVOAは今週の勝利で再びトップ(32.7%)に返り咲き。ディフェンスはこれまた変わらず27位(11.4%)のまま。上位チームの中では相変わらず最悪である。bye week後の失点はいずれも20点以下に抑えており、その意味ではディフェンスも向上しているように見えなくもないんだが、Minnesota(オフェンス26位の-7.3%)が相手ではいくらいいディフェンスをしても評価は上がらないってことだろうな。
オフェンスの中身"
http://www.footballoutsiders.com/stats/teamoff"を見るとパスは1位に戻って47.7%。Mossがいなくなった影響をどうやら払拭しつつあるようだ。2位にSan Diego、3位にIndianapolisが続くあたり、例年通りの動きになっている。例年通りではないのは5位のKansas City。あのCasselがなぜ、と驚愕するような数字だ。なおランオフェンスでNew EnglandはついにHoustonに次ぐ2位(24.3%)まで上昇。Green-EllisやWoodheadなど、予想外の選手の活躍が少しずつ積み重なっている。
素晴らしいオフェンスに対して悲しきディフェンス"
http://www.footballoutsiders.com/stats/teamdef"だが、前から言っている通りランディフェンスは21位ながらも-3.5%と決して酷くはない。要するにダメなのはシーズン当初から変わらずパスディフェンス(27位の21.8%)。レシーバーの種類ごとに見ても3番手以下のWR以外には満遍なくやられており、弱点でないところが見当たらない状態だ。ここまでバランスの悪いチームが果たしてどこまで勝ち残っていけるのか、正直疑問である。
第8週のQuick Reads"
http://www.footballoutsiders.com/quick-reads/2010/week-8-quick-reads"を見ると、Bradyが久しぶりにDYARで100超。全体で6位になっている。ただ、彼とかトップのRiversを除くとあとは見慣れない名前ばかり。Youngが2位、Campbellが4位、Freemanが5位ってどないやねん。3位のGarrardも含めて私が信頼していないQBばかり(Freeman除く)ってのも驚きだ。また、ずっとマイナスを刻み続けてきたFavreが我がNew Englandの誇るパスディフェンス相手にDYAR+46を記録。とほほ。
2敗目を記録したチームではRoethlisbergerが-12、Sanchezが-34。彼らの不調が足を引っ張ったようだ。もっともSanchezについては不調でも何でもないようで「要するに彼は去年から常にオープンディフェンダーを見つけてインターセプトされるべくそこへ投げていたんだが、今年は去年と違ってディフェンダーたちがボールをポロポロとこぼしていただけだ――最近まで」。実際、Sanchezのパス成功率は昨年が53.8%、今年が53.0%。YPAは昨年が6.7、今年が6.3であり、改善しているのはインターセプト数だけ。ディフェンダーがこぼさなくなれば去年並みになるのだろう。
QB交代の可能性がささやかれているWashingtonのMcNabbはDYAR-58で24位。確かに酷い成績だが、だからといって2 minutesにGrossmanを出してもなあ。おまけにテストのために呼んだ選手がRusselとLosman。それはダメだろと言いたくなるような名前ばかりだ。そしてHasselbeckが-113の28位。どうやら完全にガス欠になってしまったようだ。長い間ご苦労様でした。せっかくだから最後にCarrolに盛大に恥をかかせてやってください。
そして第8週の試合終了後にMinnesotaがMossを解雇した"
http://www.nfl.com/news/story/09000d5d81bcebc3/article"。理由は色々と言われているが、ドラフト3巡を差し出して手に入れた選手を1ヶ月後に解雇するのはどう考えてもフロントのミス。成績もこの有様だし、Childressの首は持ちこたえたとしてもシーズン終了時までだろうな。その影でSan DiegoのMerrimanが同じく解雇されている"
http://www.nfl.com/news/story/09000d5d81bcf655/article"んだが、こちらはかつての輝きを失って久しいのでほとんど話題にもなっていない様子。New EnglandではMankinsがホールドアウトをやめてチームに復帰"
http://www.nfl.com/news/story/09000d5d81bcf79b/article"。いいニュースだけどこういう話はできればディフェンス側で起きてほしかった。
さて、半分近く終わったところでFootball Outsiders Almanac 2010の予想と現状がどうなっているかを地区ごとに比較してみよう。まずAFC東ではNew EnglandからBuffaloまでFOAの予想と同じ順位になっている。北では上位がBaltimoreとPittsburgh、下位がCincinnatiとClevelandで、これまた基本的に予想通り。南ではHoustonとJacksonvilleの順番が逆になっている以外はやはり想定通りだ。そして西でもKansas Cityの地区トップは実は予想の範囲内。さすがにOaklandの躍進は予想外だったようだが。
NFC東は3位と予想していたGiantsがトップに来ており、予想は外れている。ただFOAの予想ではトップのPhiladelphiaとGiantsの差はあまりなかったので、誤差の範囲といえなくはない。Dallasは最下位予想通り。北は基本予想通り。南では3位予想のTampa Bayが首位タイに上がっているのが違うくらいで後は予想通り。最も外れているといえるのは西で首位予想だったArizonaが3位まで落ちているが、ここはシーズン開始直前になって先発QBを代えているので止むを得ない部分はある。
要するに全体として今シーズンは予想的中率が高いのだ。Kansas Cityの躍進やNew OrleansではなくAtlantaを首位に予想しているところなどはお見事というべきだろう。ちなみにDVOA予想によればKansas Cityの今後のスケジュールの厳しさはリーグで30位、Atlantaは31位となっており、どちらも快走する可能性がある。最もスケジュールが楽なのはSan Francisco。Troy Smithの評価が実態より上がるかもしれない。逆に最も厳しいのはOakland(過去のスケジュールは28位とかなり楽だった)で、躍進もここまでで終わりになってしまうのか。
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