53人枠・その2

 前回の続き。今度はディフェンス選手を分析してみよう。その前に「ストップ率」という概念を説明しておく。PFPではオフェンスが1st downで前進に必要な残り距離の45%、2nd downで60%、そして3rd down及び4th downでダウン更新をした場合を「成功」と見なしている。逆にディフェンスが相手の成功を阻止した場合が「ストップ」。プレイ回数に占める相手を「ストップ」した回数を「ストップ率」と呼んでおり、ディフェンス選手がうまくプレイしたことを示す指標としている。ではまずDLから。

DL      play tm% run stp yds
Warren  DE 69 9.1%  67 75% 2.8
Wilfork  DT 55 7.2%  52 85% 2.3
Seymour  DE 52 6.8%  41 83% 2.4
Green   DE 35 4.6%  28 75% 2.8
Sullivan DT 31 4.0%  28 82% 1.7

 左から人名、ポジション、プレイに絡んだ回数、チーム全体のプレイ回数に占める比率、ランプレイに絡んだ回数、ランストップ率、そしてランの時の平均喪失ヤードだ。見ての通り、DLはプレイの大半がランプレイ関連なので、パス関連の指標は省略した。
 New EnglandのDLの特徴は、他チームに比べてプレイに絡む比率が高い一方、平均喪失ヤードが多いことにある。同じ3-4でもPittsburghのDLはチームに占めるプレイ比率が4.8%から5.5%、San Diegoは3.7%から7.4%で、逆に喪失ヤードはPittsで1.5から1.9、SDで1.8から2.3だ。他チームよりもDLが後ろまで下がってオフェンスのボールキャリアを止めにかかる傾向が強いのだ。そのため、ストップ率は他チームのDLに比べれば低めになる(それでも上の通り75%から85%ほどのプレイは止めている)。この傾向はもう「仕様」としか言いようがあるまい。
 その中で敢えて成績が悪いのを探せばWarrenということになるが、一方で彼はプレイに絡む割合が最も高い。何もできずに終わる選手よりプレイに絡んで成績が悪化する選手の方がマシだと考えるなら、Warrenはそれほどの穴でもない。控えのGreenの方がむしろダメだとも言える。なお、この中に入ってSullivanがどの程度の成績を残せるかというと、実は全く想像がつかなかったりする。おそらく以前のチームとはかなり異なる役目を求められるのではなかろうか。とりあえず結論としては、大きなケガがない限りDLはそれほどの穴ではないと見てよさそうだ。

LB   play team% pas stp yds run stp yds
Vrabel  109 14.3%  37 49% 5.1  72 61% 3.4
Bruschi  65  8.5%  21 52% 4.0  44 73% 2.8
Colvin  63  8.3%  24 75% 1.3  39 72% 2.6
Seau   37  4.2%  13 38% 5.8  24 67% 3.0

 左から人名、プレイに絡んだ回数、チーム全体のプレイ回数に占める比率、パスプレイに絡んだ回数、パスストップ率、パスの時の平均喪失ヤード、ランプレイに絡んだ回数、ランストップ比率、ランの時の平均喪失ヤード。LBはDLに比べればパスプレイに絡む比率が高いので、両方のデータを載せておいた。
 Vrabelが途中でOLBからILBに代わったため少々数字がいびつになっているが、基本的にILBはランプレイに絡む比率が圧倒的に高く、OLBはパスプレイに絡む回数がランプレイ関連の半分強に達する。そこでまずILBだが、Bruschiがランストップ率でチームトップを維持し、ラン喪失ヤードもリーグ全体の32位とそこそこの位置にある。決して傑出したLBとは言えないが、チームでは安定感がある方だろう。少なくともクビになったBeisel(ストップ率61%、喪失ヤード3.5)やBrown(57%、4.2)よりは全然マシ。ただ問題はBruschiがすぐには出場できそうにないことだ。VrabelとSeauの対ラン成績は(BeiselやBrownよりはいいのだが)Bruschiより劣る。当面はILBのランディフェンスは厳しそうだ。
 OLBではColvinがなかなか有能だ。特にパス喪失ヤードはリーグ全体でも8番目(ちなみにトップはMcGinest)。ランディフェンスでも有能であり、LB陣の中ではおそらく一番頼りになる。それに対して控えのBanta-Cainがどこまでやれるかははっきり言って未知数だ。もちろんベテランMcGinestにむやみなサラリーを払うくらいならBanta-Cainに賭ける方がいいだろうが、不安といえば不安である。

DB   play tm% tgt pstp yds r/p
Samuel  70 9.2% 28%  51% 8.6 0.19
Hobbs  55 7.2% 20%  61% 5.0 0.20
Wilson  69 9.1%  8%  60% 5.6 0.73
Hawkins 16 2.1%  6%  59% 6.4 0.45

 左から人名、プレイに絡んだ回数、チーム全体のプレイ回数に占める比率、DBの中でパスの標的となった比率、パスストップ率、パスの時の平均喪失ヤード、パスプレイに対するランプレイの比率だ。DBの主な仕事はパス守備のため、パス関連の指標が多い。
 文句なしで有能と言えるのはHobbs。20%のパスターゲットとなりながらストップ率は61%、パス平均喪失ヤードもたった5.0(リーグで2番目)と見事なシャットダウンコーナーぶりを見せている。今やSamuelを抜いてチームのトップCBと言ってもいいだろう。というかむしろSamuelの成績がかなり不安。プレイ回数の多かった83人のCBの中でストップ率は47位、喪失ヤードに至っては69位である。昨シーズンのStarks(ストップ率78位、喪失ヤード82位)よりはマシだが、現DBの中で最大の穴はSamuelではないだろうか。
 Sの先発になるだろうHarrisonは昨シーズンの記録がほとんどないのでWilsonとHawkinsの成績を見ることになるが、こちらはパスディフェンスに関してはリーグ上位だ。ただ、問題はランプレイに絡む比率がどちらもかなり低いこと。正直パスディフェンスに手いっぱいでランサポートに回れなかったのではないかと思えるくらい。彼らがより積極的にランサポートに回れるようになれば、このチームのディフェンスも昨シーズンより向上するのではないかと思う。

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