53人枠

 New Englandのレギュラーシーズンに臨む陣容が固まった。そこで、Pro Football Prospectusに載っている各選手の「予想成績」を見て分析をしてみることにした。いずれも1シーズンフルに働いた場合の予想数値だ。

QB   att comp yards td int
Brady  524 341  4036  29 13
Cassel 482 274  3283  21 22

 Bradyの数値をパッサーレーティングに直せば96.5。彼がケガをせずに活躍すれば十分にリーグトップレベルの記録を残せるという予想だ。なお、05年における彼のパスの距離を分析すると5ヤード以下が48%、6から15ヤードが32%、16から25ヤードが12%、26ヤード以上が8%となっている。リーグ全体の平均は16から25ヤードが13%、26ヤード以上が8%で、Bradyは平均より少しショートパスが多い。これはBradyの責任というよりOCのプレイコールに問題がありそうだ。プレシーズンでのBradyのディープパスは今いちだったようだが、シーズンに入ればもっとミドルからディープを攻める必要があるだろう。

RB   run yds td rec yds td
Dillon 243 924 9  20 160 1
Maroney 158 738 6  25 214 1
Faulk  88 331 2  21 204 1
Pass   18  74 0  18 176 1
Evans  予想データなし
Mills  予想データなし

 全部足し合わせればかなりの数値になるが、実際はそうもいかないだろう。見ての通り、Dillonにはもはや全盛期の力はない。彼の生涯キャリー回数は2419回、年齢はシーズン中に32歳を迎える。PFPでは2000キャリーを超えたあたりからキャリー数とYPCの負の相関が強まることを指摘しており、Dillonが過去の栄光を再現する可能性はほぼないと見ていいだろう。新人Maroneyがどこまで伸びるかが鍵を握っており、その意味で彼のケガは気になる。Passも負傷しているし、Faulkも既に30歳。Maroneyに何かがあったらその時点で昨年同様ランオフェンスは崩壊し、結果としてまたBradyの個人記録が伸びるかもしれない。

WR    rec yards td
Brown   28  388  2
Caldwell 40  581  4
Jackson  46  625  4
Gabriel  41  537  3
Branch  79  1043  6
Smith   予想データなし

 予想では文句なしのエースレシーバーになっているBranchだが、実際はホールドアウト中なのでどこまでこの成績を実現できるかは不明。まあシーズン途中からでも復帰してくれればありがたいが、最悪の場合は新人Jacksonがエースの重責を担うことになるかもしれない。Brownは第3QBも兼ねることになりそうなので、あまり無理はさせられないだろう。残るのが昨シーズンのDPAR4.5のCaldwellだけだとかなり不安であったが、同11.0のGabrielをOaklandからトレードで入手したのは、現状ではヒットと見てよさそう。PFPでは彼を"would be a starter on most teams"としている。

TE   rec yards td
Watson 33  466  5
Graham 18  178  4
Thomas 14  120  1
Mills  予想データなし

 WRの課題を埋めることが期待されているポジション。Watsonは05年に16ヤード以上のパスターゲットになった比率が31%に達しており、Caldwell(36%)、Gabriel(35%)に次ぐDeep Threatとして扱われるだろう。一方、ショートゾーンはGrahamが得意だしBrownも十分に活躍できる。一番の課題はBranch、Givensが中心になっていたミドルゾーンへのパスを誰が受け取るのかという点だ。Jackson一人ではしんどいとなればChildressの成長に賭けるか、あるいはTEにもっと負担を求めることになるかもしれない。正直、いくら俊足で知られるとはいえWatsonだけでレシーバーの穴を埋めるのは難しいのでは。あとはBradyの能力頼りになってしまいそうだ。

K      XP  FG
Gostkowski 45 22-28

 昨シーズンのVinatieriの実績がXP40回、FGは25回蹴って20回成功だったから、Gostkowskiがこれだけの成績を残せば万々歳だ。後はキックオフの飛距離を伸ばせば、オフシーズンの人事で久しぶりの成功例ということになる。
 残るはOLだが、このポジションに関してはPFPも個々の選手の成績を扱っていない。メンツを見るとチームを去ったのはAshworthとGorinという両タックルで、その代わり負傷していたLight、Koppenが一応復帰した。結局、明確な新スターターはO'Callaghanのみ。05年、唯一まともにランが出ていた右タックルが交代するだけに、ランについては不安が募る。ただ、このOL陣はあれだけケガ人が出た昨シーズンでもリーグトップクラスのパスプロを維持している(修正被サック率で2年連続トップ10)。Maroneyが大爆発しない限り今シーズンもパスオフェンスが中心となりそうだし、となればさほど不安を感じる必要はないかもしれない。
 ディフェンスについては予想数値はない。が、05シーズンの実績については色々面白い分析をしているので、次回はその話を取り上げよう。

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