祖国は危機にあり(La patrie en danger) 関連blog
都市化いろいろ
2019
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07
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30
その他
以前、都市化と成長について言及したことがある。都市化が十分に進むと都市人口割合の増加が成長に寄与する度合いが低下し、成長率そのものが鈍るのではないかという話だ。そして成長率が鈍るとピケティの不等式を通じて格差が開くのではないか、マルサスの罠に囚われるのではないか、というアイデアを出した。 これはあくまで単なるアイデアであり、仮説というほどのものではない。本当に「都市化の進展→成長率の鈍化→格差の拡...
アジ歴とナポレオン
2019
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07
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28
ナポレオニック
アジア歴史資料センターには主に明治以降の様々な公文書があり、興味がある件について誰でもネット上で文書を閲覧することができる。以前にこちらやこちらで公文書を使って歴史的に何があったのかを試しに調べてみたことがあったが、そういう使い方が本筋だろう。 それとは別の切り口もある。例えばキーワード検索で「ナポレオン」と入れてみるとどうなるだろうか。日本はナポレオン戦争と直接かかわりを持っているわけではない...
QBキャップヒット問題 下
2019
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07
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26
NFL
前回紹介した「QBの高額契約は他のポジションに影響を及ぼさない」説の続き。論拠となった一連のツイートでは、QBの関与しない分野におけるEPAやPFFのグレードとQBのキャップヒット%との間に相関のないものが多いという指摘をしていた。だがそこで使われているEPAやPFFグレードが、どのゲームを対象としているのかがよく分からない。 PFFのチームグレードのページを見る限り、こちらのデータはレギュラーシーズンにプレイオフ...
QBキャップヒット問題 上
2019
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07
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24
NFL
QBと高額契約を結ぶとSuper Bowlに勝てなくなる、という話がある。Ruizは2014年の時点でそう指摘していたし、Over The CapのMooreもこの話を述べている。確かに優勝チームのQBキャップヒットが10%を大きく上回るケースはほとんどなく、高額QBはむしろチームにとってマイナスではないかとの見解が出てくるのも分からなくはない。 私自身もこちらでそうした分析をしたし、こちらのコメント欄でそうした議論をしている。QBとの高...
RBのホールドアウト
2019
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07
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22
NFL
気が付くとNFLのキャンプシーズンに入った。同時にサラリーに不満を抱いている選手たちによるホールドアウトの季節も到来した。既にChargersのMelvin GordonとCowboysのEzekiel Elliottという2人のRBがホールドアウトの可能性に触れている。 当然ながらOver The Capでも彼らの契約について言及している。まず今年が5年目オプションとなっているGordonについて。彼の今シーズンのキャップヒットは5.6ミリオンで、スタッツを見...
サラリーとQBプレッシャー
2019
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07
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20
NFL
パスラッシュよりカバレッジが大切という話がある一方、シングルハイのSを残すくらいならcover-0でブリッツをかけた方が効果が大きいという説もあることを紹介した。それぞれどう評価すればいいのか難しいところだが、少しはヒントになりそうな話もある。 それはFootball Outsidersがまとめた2018シーズンのディフェンスによるパスプレッシャーのデータだ。ちなみにオフェンス側から見たパスプレッシャーに関するデータもあり、...
中世技術本
2019
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07
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18
その他
古い本だが、ギースの「大聖堂・製鉄・水車」を読んだ。内容についてはこちらの書評を見てもらえば分かるが、要するに中世ヨーロッパの技術史についてまとめた本だ。 読んで改めて思うのは、中世という期間がかなり長く、とてもじゃないが一様にとらえることのできない時代であること。この本でも主題となっている中世については、まず典型的な暗黒時代と見られている西暦500年から900年まで、続いて西暦900年から1200年まで、...
ブリッツとカバレッジ
2019
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07
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16
NFL
こちらの記事でNFL各チームのパスカバーの傾向がまとめられている。元になったのはこちらのツイートで、マンカバーとゾーンカバーの比率がどうなっているか、さらにMOFCとMOFO、つまりSがシングルハイとツーディープの比率がどうなっているかをまとめている。 また1年前のデータになるが、こちらでは2017シーズンのマンカバーとゾーンカバーのチーム別傾向についての記事がある。それによればマンカバーに当たるのはcover-1とc...
ドラキュラの砲弾
2019
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07
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14
火薬・軍事革命
ブルガリアでヴラド3世時代の砲弾が発見されたという話が少し話題になっていた。何でもカルチュラル・ツーリズムの増加を背景に、ローマ時代からの歴史ある城跡を発掘する計画が持ち上がり、実際に掘り返したところそうしたものが見つかったようだ。純粋に学術的な取り組みというより、背景に金のにおいが絡んでくるあたり、現代的と言えるかもしれない。 紹介している記事によれば見つかったのは「対オスマン戦争で使用したと...
戦果の数量学
2019
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07
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12
その他
第1次大戦中のエースにビリー・ビショップという男がいる。当時のエースたちの中では3番目に多い72機を撃墜したとされており、英連邦諸国ではトップの数字だ。そして英連邦で最高の栄誉とされるVictoria Crossも受章している。 だが彼の記録に関しては歴史家の間で激しい論争が繰り広げられている。英語wikipediaを見ても、カナダ空軍の公式な歴史家たちが実際の撃墜数は「はるかに少なかった(中略)実際に敵航空機を撃破し...
レシーブとパレート
2019
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07
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10
NFL
しばらく前にFootball Perspectiveに載っていた記事がなかなか興味深い。ポジションではなくパスレシーブについてその数値を2つの視点で見ると、両者がかなりきれいな逆相関になるという話だ。 見るべきデータはcatch rate(要はレシーブ率)とyards per catch。前者が高い選手は後者が低く、後者が高い選手は前者が低い。これはポジション別に考えれば分かりやすいだろう。セーフティーバルブで使われるRBはレシーブ率は高い...
ワーテルローへの道 24
2019
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07
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08
ナポレオニック
承前。これまでの話を踏まえるなら、現実にフランス軍が攻めてからの英連合軍及びプロイセン軍の動きは、いずれも臨機応変の対処を迫られた結果と考えられる。英連合軍は言わば幸運の結果としてキャトル=ブラの十字路を確保した。プロイセン軍は事前計画に合わせてソンブルフへ退却したが、グレーベン覚書にあるように4個軍団全てをそこに集めることはできなかった。さらにその後の行動になると、事前の想定などほとんどなかっ...
ワーテルローへの道 23
2019
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07
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06
ナポレオニック
承前。ベルギーでの戦闘において英連合軍とプロイセン軍は、相互に連携しながら一方が防勢を、他方が攻勢を取ることで一致していた。ベルギーの防御は連合軍がフランスに侵攻するための条件であり、また侵攻を実施するには他の部隊の準備が整うのを待つ必要があった。ウェリントンは「ネーデルランドにいる軍と、ライン左岸地域の軍は(中略)防勢を取る必要がある。彼らは他の軍が共通の目的のため合流を達成するまで待っていた...
ワーテルローへの道 22
2019
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07
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04
ナポレオニック
承前。時系列での記述以外に、ワーテルロー戦役が始まる前の連合軍の防御配置がどう推移したかについて、de Witは別に文章をまとめている。まず4月20日にウィレム1世が息子に宛てた手紙が紹介されているが、それによると彼がオランダ軍を最初にムーズ河畔で編成したのは、フランドルの軍事については全て英国に任せることにしたためだという(p1)。 アントワープをはじめとした海沿いの要塞はそれ自体が強力なのでそちらには...
ワーテルローへの道 21
2019
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07
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02
ナポレオニック
承前。以上で日単位の状況説明を終える。見ての通り大量の情報が飛び交っていたのだが、ウェリントンは基本的にフランスの攻撃がないと考えていた。自分たちが強すぎるというのが理由。一方、フランス軍の切迫した動向はウェリントンの下にも届いていたはずで、レーデはモンスに対する攻撃の可能性に言及しているし、ツィーテンは14日に、必要ならニヴェルに兵を集めるという報告をミュフリンク経由で受け取っている(p21)。 ...
プロフィール
desaixjp
「祖国は危機にあり」へのリンクはこちら
「終わりと始まり ―火薬革命の900年―」
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