祖国は危機にあり(La patrie en danger) 関連blog
「ゴン」スリンガー
2016
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08
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30
火薬・軍事革命
ちょっとしたフィクションのアイデア。西部劇のテンプレートを使いながら時代は初期のハンドゴンが使用されていた頃(15世紀初頭あたりか)に設定することができないだろうか。主人公は西部劇なんだから当然流れ者のガンスリンガー。各地で住民に迷惑をかけている悪党を相手に銃ひとつで戦いを挑み、勝利して去っていく。対戦相手を変えれば、いろいろと面白い趣向が凝らせそうだ。 たとえば悪徳騎士。プレートメイルに身を固め...
火器の進化
2016
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08
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28
火薬・軍事革命
アヘン戦争での一方的敗北が「大分岐」後ではなく前に生じたのだとしたら、その敗北は何が原因なのか。もしかしたら19世紀の清国は16世紀の明国に比べ戦争への対応において劣っている部分があったのではないか。つまり、ハードの差ではなくソフトの差こそが、両者の対欧州戦における結果の違いにつながったのではないだろうか。 それを窺わせるのは、Andradeの本"http://press.princeton.edu/titles/10571.html"に紹...
「大分岐」の疑問
2016
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08
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26
火薬・軍事革命
Andradeが指摘している「小分岐」"http://blogs.yahoo.co.jp/desaixjp/55818825.html"が起きた15世紀に、欧州の火器が大きく変化したのは事実だろう。ではその後、追い抜かれた中国が再び欧州を追いかけ始めた16世紀以降の欧州で火器はどう変化していったのだろうか。 銃についてはこちら"http://blogs.yahoo.co.jp/desaixjp/55984421.html"で大雑把な流れは紹介している。火がついたままの縄を常に扱わな...
平民で若者で
2016
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火薬・軍事革命
「国王[スルタン]がオルバノスと呼ぶ1人の砲手がいた。彼はダキアの生まれで、以前はギリシャ人とともに過ごしていた[ビザンツ帝国に仕えていた]。より良い俸給を求めて、彼はギリシャ人の下を離れオスマン政府の王[スルタン]のところへ来た」"https://books.google.co.jp/books?id=qvvdVXckfqQC" p391 コンスタンティノープル攻囲に際し巨大砲を作成したウルバン"https://en.wikipedia.org/wiki/Orban&quo...
オルレアンの大砲少女
2016
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火薬・軍事革命
百年戦争中に「歩兵革命」や「大砲革命」があったかどうかはともかく、百年戦争が欧州でも初めて火薬が本格的に使われた戦争であることはおそらく間違いない。そしてそれは百年戦争を通じて、いやもしかしたら欧州中世を通じて最も有名な人物かもしれないジャンヌ・ダルク"http://dic.pixiv.net/a/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8C%E3%83%BB%E3%83%80%E3%83%AB%E3%82%AF"もまた、火薬を使った戦争を経験していた...
ボーリューの後退 追加
2016
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08
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20
ナポレオニック
1796年のデゴの戦いで敗北したボーリューが、ピエモンテ軍を助けるどころか彼らを見捨てるかのように戦場から遠ざかる動きを見せたことは、以前こちら"http://blogs.yahoo.co.jp/desaixjp/51879392.html"で指摘した。さらにネルソンの報告でこの事実が指摘されていたことも言及している("http://blogs.yahoo.co.jp/desaixjp/55535116.html"と"http://blogs.yahoo.co.jp/desaixjp/55538760.html"...
砲兵革命?
2016
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18
火薬・軍事革命
前回紹介した「一連の軍事革命」論のうち、「歩兵革命」に関する議論に問題があることは指摘した通りだ。一方、同じ論文"http://ww2.valdosta.edu/~raboyd/docs/military.revolution.pdf"の中に紹介されている「砲兵革命」の方は一見してまともな議論に見える。大砲の発明によって中世式の城郭が姿を消し、ルネッサンス式稜堡に取って代わられたのは、おそらく間違いないだろう。 「砲兵革命」とは、この論文によれば...
革命が多すぎる
2016
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火薬・軍事革命
火薬兵器の歴史を見ているとRobertsの唱えた「軍事革命」論に遭遇することが多い。そして、時にはそこから派生した議論も目に留まる。その中でも興味深い議論の一つが、こちら"http://ww2.valdosta.edu/~raboyd/docs/military.revolution.pdf"に載っているThe Military Revolutions of the Hundred Years' Warだ。 1993年に発表されたこちらの論文は、RobertsやParkerの唱えた軍事革命論が基本的に初期近代、具体...
東南アジアと世界と
2016
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08
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14
その他
Peter Turchinと言えばユーラシアとアフリカの歴史について再現するシミュレートを行っていたことも紹介した"http://blogs.yahoo.co.jp/desaixjp/55677354.html"。そこでの結論は軍事技術、特に馬匹を使った武装が国家の形成に大きな影響を与えていたというもの。具体的にはウマの家畜化が行われたユーラシアのステップ地帯を中心に時間とともに先進的な軍事技術を持つ地域が周辺へと広がるという前提を置いてシミュレ...
エリート過剰と不幸な大衆
2016
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12
その他
以前紹介した"http://blogs.yahoo.co.jp/desaixjp/55668651.html"「国家興亡の方程式」の著者Peter Turchinが、6年前のNatureにこんな文章"http://peterturchin.com/PDF/Turchin_Nature_2010.pdf"を書いている。今後10年を予測するというテーマで、彼は「米国と西欧は不安定さが増す」と指摘。米国では実質賃金の停滞または下落と格差の拡大、高学歴な若者の過剰生産と公的負債の激増といった現象が起きており、それが50年おき...
GAORA
2016
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08
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NFL
今更感のある話だが、今シーズンのGAORAのNFL放送がなくなった"http://www.gaora.co.jp/info/news/1493"。一応G+は放送をする"http://www.ntv.co.jp/G/nfl/nflong/"ことになっているのでNHK以外が全滅、というわけでもないが、個人的にはくどいG+よりあっさりしていたGAORAの方が好みだったのでこの結果は残念。 NFLは数年前からGAMEPASS"https://gamepass.nfl.com/nflgp/secure/packages"を使い...
戦場はアルコレ
2016
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08
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08
ナポレオニック
ジョミニのHistoire critique et militaire des guerres de la révolution, Tome Neuvième."http://books.google.com/books?id=558FAAAAQAAJ"を翻訳中だが、彼がアルコレ"http://www.napoleon.org/en/magazine/places/arcole-2/"の戦いについて面白い指摘をしていたので紹介しよう。 ボナパルトがアルコレで戦った理由について、日本語wikipedia"https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E...
燧石と銃剣
2016
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ナポレオニック
現代において歩兵とは即ち銃兵である。だが昔はそうではなかった。歩兵が全て銃を持っていたわけではなく、白兵戦用の兵器などを持っていた徒歩の兵も大勢いた。歩兵=銃兵の図式が完成したのはおそらく1700年頃の欧州だろう。最後まで残っていた銃以外の武器といえばパイクなんだが、銃剣の普及によってパイクを代替する流れが強まった結果、戦場から一掃されることとなった。 銃剣(bayonette)という言葉が最初に紹介された...
全国大会効果と支持率
2016
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08
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04
その他
米大統領選では足元で支持率の派手なアップダウンが起きている"http://www.realclearpolitics.com/epolls/2016/president/us/general_election_trump_vs_clinton-5491.html"。マスコミの報道も数日の間に「トランプが抜いた」"http://jp.reuters.com/article/usa-election-trump-high-idJPKCN1060BS"、「クリントンが抜き返した」"http://www.yomiuri.co.jp/world/20160802-OYT1T50050.html"と忙...
古い「火薬」
2016
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02
火薬・軍事革命
これまで火薬が唐末期に発明されていたという史料に関する疑問を指摘してきた("http://blogs.yahoo.co.jp/desaixjp/55859997.html"や"http://blogs.yahoo.co.jp/desaixjp/55973758.html")。真元妙道要略や鉛汞甲庚至寶集成の9世紀成立説は、実は怪しいのではないかという考えだ。加えて10世紀初頭の火薬兵器とされるものが、実は火薬兵器でない可能性もあると書いてきた。 ではこれらの史料以外に、古い...
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「祖国は危機にあり」へのリンクはこちら
「終わりと始まり ―火薬革命の900年―」
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