祖国は危機にあり(La patrie en danger) 関連blog
内在か外在か
2016
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06
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30
その他
栄枯盛衰、歴史においては様々な主体の間に差がつくことがよくある。そうした差がなぜ生じたのか、いつ生じたのかといった問題は多くの人々の関心を集めるようだ。例えばポメランツの大分岐"http://press.princeton.edu/titles/6823.html"。欧州と東アジアとの差について論じたこの書物は、産業革命の主な要因が外在的であると指摘した点で「なぜ」の部分についてもきちんと論じているが、後の議論に一番インパクトを...
スペインの火器・下
2016
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06
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28
火薬・軍事革命
英のEU離脱のせいで1回延びてしまったが、改めてスペインの火器の続きを。 ChesneyがObservations on the past and present State of Firearms"https://books.google.co.jp/books?id=KCZYAAAAcAAJ"の中で紹介している古い事例はやたらと数が多い。だが調べてみると、その多くは1118年のサラゴサ同様にConde本にtruenoと書かれているものをそのまま「大砲」と解釈しているのが目立つ。 例えば1156年、ボナ近くのモハ...
EUよさらば 残留の方途尽く
2016
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06
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26
その他
油断していた。まさかBrexitはないと思っていたし、こちらのエントリー"http://blogs.yahoo.co.jp/desaixjp/55923614.html"でも「最後に元の鞘に収まる」という予想をしていた。だが英国人は私が思っていたよりはるかに天邪鬼だったようだ。何もこんな傍迷惑な場面でジョンブル魂を発揮しなくてもよさそうなものだが。 ちなみにBrexitがないだろうと思った理由の1つは世論調査の推移がスコットランドの独立投票の際...
スペインの火器・上
2016
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06
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24
火薬・軍事革命
ChesneyがObservations on the past and present State of Firearms"https://books.google.co.jp/books?id=KCZYAAAAcAAJ"の中で主張する「スペインでの古い大砲使用例」は、1118年のサラゴサだけにとどまるものではない。14世紀前半になれば欧州に火器が到達したのは明らかであるが、それ以前にも大砲があったとする例を彼はいくつも挙げている(p42-43)。だがそれぞれについてどのようなソースに基づく主張なのかは...
1118年 サラゴサ
2016
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06
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22
火薬・軍事革命
欧州での古い火器の歴史を調べてくると、ちょくちょく見かけるのが「1118年にサラゴサで使われた」という記述だ。例えば大砲の歴史を記したこちらの本"https://books.google.co.jp/books?id=yYupSOK0BgIC"にも、「西欧での最初の火器の登場はおそらくムーア人による1118年のサラゴサでのもの」(p3)という文章が出てくる。 だがこれまでも述べてきたように、専門家が西欧における最初の火器に関する記録と認めている...
選挙2題
2016
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06
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20
その他
海外の選挙がらみで少し。まずはいつもの米大統領選だが、足元の世論調査でクリントンが連戦連勝している"http://www.realclearpolitics.com/epolls/latest_polls/pres_general/"。いやまあそもそもトランプが勝つこと自体が珍しいのだが、一説によると最近の連勝はフロリダ州で起きた銃乱射事件に対する彼の対応に対する批判が集まったためらしい"http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2016/06/post-841.php"...
ランヌの死 論争
2016
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06
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18
ナポレオニック
「旬が終わった」。ナポレオン漫画ではランヌによるナポレオン批判についてこうした言い回しで表現している。ランヌが死ぬ時にナポレオンを非難したという話については、メッテルニヒがそう主張している事例を紹介したこともある"http://blogs.yahoo.co.jp/desaixjp/55747987.html"。そして面白いことに、このランヌの最期の言葉に関しては、実は1つの論争が存在する。 その論争はこちら"http://www.napoleon.o...
ランヌの死 反応
2016
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06
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ナポレオニック
ナポレオン漫画最新号、今回はランヌの話、だったんだがその一方でさりげなくビクトル復活の話を盛り込んでいた。それにしてもランヌも遂に退場か。カブトムシの幼虫を食べていた時から随分経っているような気がするなと思って振り返ってみたら、実は2007年5月のエントリーにカブトムシの話を書いていた"http://blogs.yahoo.co.jp/desaixjp/32273697.html"。すげえな、9年も前だったのか。史実ではイタリア遠征開始...
中国火薬兵器の発展・下
2016
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06
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14
火薬・軍事革命
前回までに、主にAndradeの本に基づいて中国での火薬兵器発達を整理してみた。これを踏まえ、その発達過程を自分なりに図にしてみると、以下のようになる。 まず火薬の発明についてはAndrade、Needhamらの9世紀説以外に10世紀も記しておいた。「中国,宋代における火器と火薬兵」"http://yakushi.umin.jp/publication/pdf/zasshi/Vol16-2_all.pdf"が指摘する「唐代、五代にはいまだ火薬を用いたことを記した確たる原...
中国火薬兵器の発展・中
2016
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06
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12
火薬・軍事革命
承前。中国における火薬兵器の発展について主にAndradeの著作"http://press.princeton.edu/titles/10571.html"に従って調べている。密閉された容器に火薬を詰め込む「爆発物」は、12世紀前半の爆竹(爆仗)から始まり、ほぼ100年後には震天雷まで発展してきたのを見た。祭の演出に使う小道具から殺傷力の高い兵器に至るまで、たった1世紀で急速な進歩を遂げたことが分かる。 では完全に密閉するタイプでなく、筒に入...
中国火薬兵器の発展・上
2016
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06
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10
火薬・軍事革命
前"http://blogs.yahoo.co.jp/desaixjp/55903407.html"にAndradeがNeedhamより火薬兵器の発展を後ずれして解釈していることを指摘した。ではどの程度後ずれしているのか。まず火槍だが、これは話が簡単。陳規の守城録"http://ctext.org/wiki.pl?if=gb&res=161500"に出てくる「以火炮藥造下長竹竿火鎗二十餘條」の部分がそれだろう。西暦で言えば1132年、つまり12世紀前半だ。Andradeは陳規が火薬ではな...
過半数
2016
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06
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08
その他
無駄に長引いていた民主党の予備選がようやく決着した"http://abcnews.go.com/Politics/story?id=39685305"。いやまあ実際には現地6日の時点でAP通信がプエルト=リコの予備選結果及び特別代議員の支持表明を基にクリントン勝利を報じていた"http://jp.reuters.com/article/clinton-idJPKCN0YT01J"ため、カリフォルニアを含む7日の予備選は事実上消化試合となってしまったんだが、いずれにせよ決着は決着...
Needham 対 Andrade
2016
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06
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06
火薬・軍事革命
前にNeedhamの主張に関する疑問点を指摘した"http://blogs.yahoo.co.jp/desaixjp/55859997.html"。ではこの点についてAndradeはThe Gunpowder Age"http://press.princeton.edu/titles/10571.html"の中でどう述べているのだろうか。調べてみた。 まず最初の火薬兵器だが、AndradeはNeedhamが取り上げている猛火油の話は採用していない。代わりに彼が引っ張り出してくるのが904年に行われた戦闘に出てくる「...
碗口銃
2016
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06
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04
火薬・軍事革命
中国で銃砲が最初に発明されたのはおそらく間違いない。ただしAndrade"http://press.princeton.edu/titles/10571.html"によると銃砲が発明された元の時代は歴史資料に乏しい時代でもあり、文献資料でそれを裏付けるのは難しい。そのため証拠を巡ってはどうしても考古学資料に頼る面が強くなる。ここで改めてどんな考古学資料があるのか確認しておきたい。以前にも紹介したがこちら"http://heartland.geocities.jp...
PC買い替え
2016
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06
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02
お知らせ
当blogは「祖国は危機にあり」"http://www.asahi-net.or.jp/~uq9h-mzgc/index.html"の関連blogです。結局PCは買い替えとなった。注エントリー内容への言及がないコメント、関連のないトラックバックは無条件で削除するのでよろしく。...
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「終わりと始まり ―火薬革命の900年―」
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