祖国は危機にあり(La patrie en danger) 関連blog
ラインへの行軍・7
2013
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05
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31
ナポレオニック
最後にまとめ。 我々は我々自身の時代と世代の欠点を、我々が喜んで唱える過ぎ去った日々と世紀の完璧さを対比しがちであり、そして我々が過去に与える魅力はしばしば真実への視点を破壊することを許し物事が実際にどうであったかについて我々を盲目にさせる。疑いなくあらゆる歴史の中で最も輝かしい個性であったナポレオンの成果は、人々にとって永遠に驚嘆すべきものであり、僅かな欠陥はどうしても過去の闇に消え、彼...
ラインへの行軍・6
2013
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05
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27
ナポレオニック
金の話、続き。 その結果はミオー=ド=メリトが述べている(61)。「彼が首都を去るか去らないかのうちに、[フランス]銀行が流通させている紙幣の交換に関する警告が明らかになった。正金の不足があり、交換比率を下げなければならず、そして葡萄月3日(9月25日)、皇帝出発の翌日、銀行は300000フランの量までの現金しか支払えず、自ら姿を現した債権者それぞれについて1000フランの紙幣1枚しか受け付けなかった。不...
ラインへの行軍・5
2013
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05
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25
ナポレオニック
次は最も重要な問題である「金」について。 だが乗り越えなければならない全ての困難の中で最大だったのは使える資金の欠如だった。皇帝のあらゆる努力にもかかわらず、軍の財政は彼らが実際にそうであったより悪く運営されることはほとんどあり得ず、それが数え切れないほどの不平を生み出したのは実際にほとんど不思議ではなかった。靴、マント、食糧、馬匹、防御施設、車両、軍用オーブン、砲兵及び工兵用補給などへの...
ラインへの行軍・4
2013
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05
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23
ナポレオニック
次は衣類と靴。 9月初旬、ナポレオンは軍の衣服が「全体的にいい状態にある」と知らされた(39)。彼は事前に大陸軍兵士の3分の1にマントを配るべきだと命じていた(40)が、9月12日にはこの量は極めて不十分であることに気づき、他の3分の1を配分するよう命じた(41)。従って3分の1の兵は、1804年に分配され1つとして戦役向きではない外套を羽織っていた。 偉大な戦略家は常に偉大な機動を行い、そして機動する能力...
ラインへの行軍・3
2013
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05
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21
ナポレオニック
続いては「腹が減っては戦はできぬ」と言われるように、ある意味最も重要な食糧状況。 必需品もまたこれだけの軍に対しては量が明白に不足し、不適切に管理されしばしば質も劣っていた。ファンレベルヘ及びドラノワという業者が軍のための食糧と秣の提供の義務を負っていた(21)が、軍の契約商人がいつもそうであるように、彼らの運営は粗悪なサービスしか生み出さず、かなりの不満と多くの単なる不平を引き起こし、両業者...
ラインへの行軍・2
2013
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05
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19
ナポレオニック
前回の続き。今回は人事も含めた人材の準備状況について。 士官、特に参謀の欠乏も、準備の促進を妨げるもう1つの要因であり、一部は16日の皇帝の命令により正されたものの、多くの欠員がなお存在しており、少なからぬ問題を招いた。ストラスブールに到着した翌日、皇帝不在の間に指揮を執っていたミュラ公は、彼の軍団に兵站長、工兵指揮官及び砲兵指揮官がおらず、これら重要な空席がすぐ埋められるよう2回に渡って要...
ラインへの行軍・1
2013
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05
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17
ナポレオニック
Journal of the Military Service Institution"http://archive.org/details/napoleonsconcent00huid"という雑誌に20世紀初頭に載った論文の中に、Napoleon's concentration on the Rhine and Main in 1805(p207-220)というものがある。著者はFrederic Louis Huidekoperなる人物だ。これが実はかなり興味深い論文であり、ナポレオンが1805年戦役の劈頭に行った機動について、その背景となる補給や財源の問題を細...
加重平均と単純平均
2013
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05
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15
NFL
Byron Leftwich"http://www.nfl.com/player/byronleftwich/2505673/profile"は今年でプロ11年目を迎えるベテランQBだ。2003年ドラフト1巡でJacksonvilleに指名され、それから3年めまではチームの先発を務めたが2006年の途中からDavid Garrardに先発を奪われた。以後、彼はジャーニーマンとなり、Atlanta、Pittsburgh、Tampa Bayとチームを渡り歩く。2010年からはPittsburghでけがの多いBen Roethlisbergerの控えとい...
10選
2013
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05
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13
ナポレオニック
一部で「SF小説10選」とかが話題になっているので、こちらも「ナポレオニック小説10選」でも挙げてみようか、と思ったんだがそもそも選べるほど日本語で読めるナポレオニック小説が多いかどうかが問題だったことに気づいた。という訳でお薦めかどうかは関係なく、単にナポレオニック小説を10個並べてみることにしよう。 ・「勇将ジェラールの回想」("http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488511012")、「勇将...
ソミュール会議・下
2013
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05
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11
ナポレオニック
前回、ソミュールでの会議に関する話を紹介した。基本的にシューデューではなく報告書に書かれている「将軍たちで相談」した結果ナント経由の作戦が採用されたのが史実だと思われる、と指摘した。ただ、1回目の投票では過半数がソミュール経由を推していた将軍たちが、どうして彼らの間で相談した際にナント経由になってしまったのか、そのあたりの事情は実はよく分からない。 Jean Julien Michel Savaryはその著書Guerres de ...
ソミュール会議・上
2013
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05
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07
ナポレオニック
ヴァンデの戦いに関連し、9月2日に共和国軍が開いた会議に関して以前に少し紹介したことがある"http://blogs.yahoo.co.jp/desaixjp/45970192.html"。マインツ部隊がソミュールとナントのどちらを経由して攻撃に出るべきかを論じたも会議で、参加していないクレベールの回想録より参加していたシューデューの回想録の方が当てになるという結論だった。ただしシューデューの話も会議の後に公安委員会へ送られた報告と...
火薬史
2013
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05
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05
火薬・軍事革命
クライヴ・ポンティングの「世界を変えた火薬の歴史」"http://www.amazon.co.jp/dp/456204912X"読了。以前こちら"http://blogs.yahoo.co.jp/desaixjp/46229798.html"やこちら"http://blogs.yahoo.co.jp/desaixjp/51626129.html"で少し調べてみた問題について、きちんとまとめて読める本だと思えばいい。結論から言うと、やはり大砲は中国で生まれたものだったようだ。 まず火薬が生まれた時期は...
機械vs人間
2013
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05
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03
その他
機械との競争"http://www.amazon.co.jp/dp/4822249212"読了。IT技術の進歩が早すぎるため人間側が対応しきれず、結果として人間の雇用が機械に奪われているという説を主張した本だ。著者たちは米国の学者であり、基本的に技術の進歩は経済成長につながるという考えの持ち主だが、人間側が新しい技術にあわせて柔軟に仕事を変えていけない場合には、機械が人間に取って代わってしまうケースが起きると見ている。 現在...
パス成功率とY/C
2013
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05
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01
NFL
アメフトに限らず、得点を競うゲームでは得失点と勝率との相関は高い。そしてアメフトの場合、得失点と相関の高いのがAdjusted Net Yards per Attempt(ANY/A)であることは何度も指摘してきた。そしてANY/Aにはいくつかのパスに関するファクターが織り込まれている。その要素のうち、一体どれが重要なのだろうか。 ANY/Aは分母にパス試投とサック数を、分子に獲得ヤード、TD、インターセプト、サックヤードを取って計算する。...
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「祖国は危機にあり」へのリンクはこちら
「終わりと始まり ―火薬革命の900年―」
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