祖国は危機にあり(La patrie en danger) 関連blog
ナポレオンと元帥たち・24
2008
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31
ナポレオニック
ナポレオンの元帥評。今回はスーシェだ。元帥たちの中でも上位に入る能力の高い人物だったが、一方で知名度は下から数えた方が早いという、ある意味不幸な人物である。デルダフィールド本でも登場頻度はグーヴィオン=サンーシールやセリュリエといったあたりと似たり寄ったり。能力的には下であっても目立つ機会の多かったミュラやネイの方が圧倒的にたくさん取り上げられている。 ここでもまた「ナポレオン麾下か否か」の法則...
伝説の根っこ
2008
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29
ナポレオニック
ボナパルト将軍がニースにあるイタリア方面軍司令部に着任した時、マセナやオージュローをはじめとした将軍たちが彼を出迎えた、という「伝説」があることは「1796年3月27日 ニース」"http://www.asahi-net.or.jp/~uq9h-mzgc/g_armee/nice.html"で紹介済みだ。その中でChandlerの"The Campaigns of Napoleon"からの一節を引いている。「マセナは書いている。『すぐ後に彼が将軍帽を被ると、まるでそ...
ナポレオンと元帥たち・23
2008
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27
ナポレオニック
ナポレオンの元帥評。今回はフランスの歴史上でも6人しかいないMarechal general"http://en.wikipedia.org/wiki/Marshal_General_of_France"まで成り上がった男、スールトだ。デルダフィールドは彼をスーシェと並べて「スペインで名声を手に入れた」数少ない元帥の一人に位置づけている。実際には「戦略家としてスールトが名を挙げた」のは南仏での戦いだったと説明しているので、「スペイン」で名声を手に入れたとい...
週記
2008
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25
NFL
日記ならぬ週記である。 NFLの試合を忘れてしまいそうになるくらい、世界の市場が荒れている。ドルが一時90円台まで下がったのは驚きだが、世界的に見ればドルはむしろ上昇中。それ以外の通貨は軒並み下がりっぱなしだ。IMFに救済を求める国がいくつも登場し、他の国々でも危機から資金が逃げ出している。アルゼンチンなどは国が民間の年金資金に手をつける事態に至った。せっかく主要国の金融危機が収まる傾向が見えて...
続・クラウゼヴィッツ本
2008
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23
ナポレオニック
「クラウゼヴィッツのナポレオン戦争従軍記」に関する追加。特に第一章のイエナ・アウエルシュテットの戦いについて。 クラウゼヴィッツは第一書簡で、左翼から回り込まれたことに気づいた段階でプロイセン軍が採用できる作戦が二種類あったと述べている。「一つは直ちに敵軍を攻撃することによって、主戦場をつくり出すこと」(p032-033)、「もう一つは、ナウムブルクとハレ、あるいはライプツィヒとの間の平地で、再び敵軍と...
ナポレオンと元帥たち・22
2008
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21
ナポレオニック
ナポレオンの元帥評。今回はセリュリエだ。彼もまた元帥の中では目立たない方の人物なのだが、そもそも1799年戦役より後には最前線に出ていないので仕方ない面もある。それでもイタリア戦役においてボナパルトの下で戦っただけマシだろう。同じく1799年より後に前線勤務のないペリニョンは、ナポレオン麾下にいたこともないため完全に謎の人物と化している。 デルダフィールドはセリュリエを「伯爵家出身」としているが...
クレベール覚書
2008
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ナポレオニック
祖国は危機にあり"http://www.asahi-net.or.jp/~uq9h-mzgc/"の史料コーナーにある「ショレの戦い クレベールの記録」を修正した。元はJean Julien Michel SavaryがGuerres des Vendeens et des Chouans contre la Republique francaiseに書いていた文章を翻訳していたのだが、Baguenier Desormeauxが1907年に出版したKleber en Vendeeを見るとかなり違う部分があったので手直しする必要が生じたのだ。 それにし...
週記・CasselとBrady
2008
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NFL
日記ならぬ週記である。 漫画早売りネタバレの前にNFLは第6週が終了。New EnglandではBelichickが「Cassel先発で行く」と改めて表明したが、彼のプレイに対するファンの不満は高まっているようだ。そりゃあれだけ大量リードされていたのにパスで全然距離を稼いでいないところを見ればファンが苛立つのも当然だろう。 先発QB負傷でチャンスを得たという点ではCasselはBradyと同じ。だがチャンスを得た後の実績では差がつ...
クラウゼヴィッツ本
2008
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ナポレオニック
「クラウゼヴィッツのナポレオン戦争従軍記」読了。まず言っておきたいのは、原著の題名をきちんと記してほしいということだ。日本語題名だけ載せられても正直意味がない。ネット時代で海外文献をあさることも可能になっているのだから、それを踏まえてドイツ語の題名を載せるのが親切ってものだろう。脚注に記されている文献についても同じ。「O・フォン・レートフ・フォアベック『一八〇六年から一八〇七年にかけての戦争』」...
ナポレオンと元帥たち・21
2008
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14
ナポレオニック
ナポレオンの元帥評。今回は元帥たちの中で生まれた時点の身分が最も高かった非フランス人、ポニアトウスキだ。デルダフィールドの紹介するポニアトウスキは、「女衒まがいの役目」を果たすべく「言葉をつくして可憐なワレウスカ伯爵夫人を説きふせた」ことと、ライプツィヒで戦死するくらいのことしかやっていない。もちろん、現実のポニアトウスキはもう少し色々なことをしている。 1806-07年のポーランド戦役でナポレ...
ムッシュとシトワイヤン
2008
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12
ナポレオニック
ちと遅れたが、ナポレオン漫画の感想。まずジョゼフィーヌが登場するたびに若返っているように見えるのは仕様だと割り切っておくことにする。あとポリーヌの髪の毛はどうして黒ではないのだろう。両親も兄も黒なんだし、史実"http://en.wikipedia.org/wiki/Image:Pauline_Bonaparte_2.jpg"も黒だしなあ。作者はあまり女性を描くのが得意ではないそうだから、キャラ付けのためにやっているのかもしれない。 それにして...
週記・ディフェンス懸念
2008
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11
NFL
日記ならぬ週記である。 漫画早売りネタバレの前にNFLは第5週が終わった。New Englandはさすがに相手が相手だけに勝利はつかめた模様だがCasselはインターセプト2つと予想通りの「活躍」ぶり。Maroneyも10キャリー26ヤードでBust and Bustだ。もともと今シーズンはオフェンスに頼るはずの展開だったのに、そのオフェンス主軸たちの不安定ぶりはお見事としか言いようがない。それでもProtrade"http://www.protrade...
ぼやき・経済ネタ
2008
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その他
酷い一週間だった。先週末に10938円あった日経平均株価は一週間で8276円へと24%下落。たった一週間で株価が4分の1吹き飛んでしまったのだ。投資家心理を表すといわれるCBOEのvix指数は元から40台という歴史的に高い水準にあったのにそれが一段と上昇して60台へ。3ヶ月物ドルLIBORは高水準を続け、銀行間取引が凍りついた状態にあることを示している。 一方、政策当局が相次いで打ち出している対応...
敬礼!(その5)
2008
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08
ナポレオニック
承前。ナポレオン時代の挙手の礼に関する史料は前回紹介した回想録関連だけでもかなりの数に上る。加えて、ナポレオンが政権を握っていた1815年以前に出版された本の中にも、挙手の礼に関する記述が存在する。1814年出版の以下の本ではエジプト遠征時の話が紹介されている。「驚いたロワズは、この命令が布陣している彼ら[部下の騎兵隊]を驚愕させることになると3回繰り返した。彼は司令官の経験不足を補おうと望み、...
敬礼!(その4)
2008
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06
ナポレオニック
これまでいくつかナポレオン時代の挙手の礼について紹介してきた。一つはAnthony Brett-Jamesの"Europe against Napoleon"に記されている「そこで私は控室の椅子に私の外套を置き、礼儀正しい態度で前へ進み、剣の横にぶら下げた左手に報告書を持ちながら右手で敬礼した」(p104)という記述。これは1813年戦役について記述した士官の回想録だ。 もう一つはWith Napoleon at Waterloo"http://www.archive.or...
週記
2008
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04
NFL
日記ならぬ週記である。 久しぶりにSingle-Wing Sentinel"http://swsentinel.blogspot.com/"が更新されていた。といってもニュースの量は少なめ。MiamiのWildcatの話がもっと多数紹介されているかと思ったが、全然見当たらなかった。大方、仕事が忙しいとかそういった理由だろう。NFLの方はNew Englandの試合がなかったので真面目に見ていないが、一部でまたもRBへのダイレクトスナップがあったそうだ。さて、果...
ナポレオンと元帥たち・20
2008
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03
ナポレオニック
ナポレオンの元帥評。今回はウディノである。デルダフィールドによれば「三十四か所の傷跡」を持つ歴戦の勇者だ。ちなみに彼の怪我についてPaul Britten Austinは「23回の機会に36回怪我をした」(ed. David Chandler "Napoleon's Marshals" p395)と記している。どちらの紹介した数が正しいのかは不明。 勇敢だったのは間違いないが軍人として有能だったかというとデルダフィールドもそうは書いていない。...
ナポレオンと元帥たち・19
2008
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01
ナポレオニック
ナポレオンの元帥評。今回はデルダフィールド本の事実上の主役、ネイ元帥だ。「元帥中誰よりも有名になった男」「ナポレオン伝説の権化」とデルダフィールドに描写されたこの人物に対し、ナポレオンは彼の最大の特徴を何度も指摘している。「ネイは滅多にない勇気の持ち主だった」Talk of Napoleon at St. Helena"http://www.archive.org/details/talkofnapoleonat007678mbp" p236「ネイは人々の中で最も勇敢だ。そし...
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desaixjp
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「終わりと始まり ―火薬革命の900年―」
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