祖国は危機にあり(La patrie en danger) 関連blog
ミトコンドリア
2008
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02
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29
その他
久しぶりに書評を。一つはニック・レーンの「ミトコンドリアが進化を決めた」"http://www.msz.co.jp/book/detail/07340.html"という本だ。題名の通り、ミトコンドリアと進化について(それ以外も含んでいるが)最新の知見を紹介したものである。 中身は、正直言って結構難しい。特に化学的反応について記している部分は、文系人間である私にとって完璧に理解するのは困難。プロトン駆動力とやらについての説明は結局...
1800年冬季グリゾン
2008
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02
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28
ナポレオニック
久しぶりにナポレオンによる戦役解説。かなりマニアックだが1800年冬季戦役でマクドナルドが率いたグリゾン方面軍の話だ。 グリゾン方面軍は、主に最初に予備軍と命名されたことにより、ウィーン政府の関心を引きつけていた。メラスと彼の参謀は、オーストリア軍の背後を遮断しマレンゴの戦いで全イタリアを征服した第1予備軍の編成と行軍に関連して欺かれたことについてオーストリアの最高軍事会議を批判していた。従って...
狼猟兵
2008
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02
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26
ナポレオニック
グーヴィオン=サン=シールの回想録に目を通していたところ、不思議な名前の部隊が出てきた。Chasseurs-du-loup、英語に訳すとhunters of wolfだ。どうやらオーストリア軍の一部隊らしいが、それ以外には何の説明もない。これはloupという固有名詞を冠した猟兵部隊のことか、それともフランス兵はある種のオーストリア軍部隊をこういう名で呼んでいたのか。 しばらく悩んだ結果、オーストリア側の文献を調べてみるに越したこと...
R・クロファードの報告 11
2008
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02
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25
ナポレオニック
オーストリア軍司令部 マンハイム、1797年2月7日 閣下、 今月2日に中将フュルステンベルク公とフンニンゲン橋頭堡守備陣地及びシュスター=インフェルと呼ばれる島で指揮を執るフランス軍将軍との間に結ばれた降伏文書の結果、守備陣地と島から敵が撤収し、皇帝陛下の兵たちがそこを確保することになった事実を閣下に謹んでお知らせします。 フランス人は彼らの軍がドイツへ前進している間にこの陣地にかなりの労力を...
司令官の言葉
2008
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02
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24
ナポレオニック
先日記した「伝カンブロンヌの言葉」に続き、今回はウェリントンが言ったとされている言葉を取り上げてみよう。親衛隊の攻撃を受けた時に英近衛旅団に対して出したとされている命令だ。伝えられている言葉は二種類。一つは「起て、近衛兵、狙え」Up Guards, and at them('em)または「起て、近衛兵、構え」Up Guards, (make) readyというもの。もう一つは「今だ、メイトランド、君の出番だ」Now Maitland, now's yo...
週記
2008
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02
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23
NFL
ジャンプ漫画早売りネタバレの前にNFLの話。とりあえずタグ貼り期限は過ぎたようだがNew Englandは特に誰にも貼らなかった模様。一方でOaklandのAsomugha、SeattleのTrufantといったCBたちはフランチャイズタグを貼られたそうで、Asante Samuelの契約が高騰すること、そしてチームから去ることがほぼ確定した。New Englandに在籍した5年間で53試合に先発、インターセプトは22回。特に06、07年には立派なシャットダ...
言葉の主
2008
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02
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21
ナポレオニック
親衛隊は死すとも降伏せず La garde meurt, et ne se rend pas. この言葉はカンブロンヌに結びつけて紹介されていることが多い。もちろん別の言葉(Merde)を充てている例もあり、実際にはその2種類の双方がカンブロンヌに結び付けられているのが一般的だ。ユゴーなどによれば後者こそが正解となる。つまり、カンブロンヌはla garde meurt...とは話さなかった。ではここで質問。カンブロンヌでないとしたら、一体誰がla garde ...
London Gazette記事 9
2008
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02
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19
ナポレオニック
ダウニング・ストリート、1797年1月30日 この日、ロバート・クロファード氏から今月10日にケールが49日間の攻囲の後でオーストリア軍に降伏したことを伝える公式記録が受領された。12月31日から1月7日まで敵の主な外部構築物に対するオーストリア軍によるいくつかの攻撃がなされ、その全ては完全な成功を収めたように思われる。 R・クロファード氏はカール大公殿下の才能と根気、オラニエ公フレデリックの勇...
黄金虫
2008
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02
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18
ナポレオニック
セント=ヘレナにおける記録の中でベルトランのものはネット上には見当たらない、と以前に書いた。なぜ見当たらないのか。こちらの文章"http://www.time.com/time/magazine/article/0,9171,816496,00.html"を読めば推測できる。 タイム誌の1952年5月19日号に載った「元帥と主人」という題名のこの記事を読むと、ベルトランは1844年に死去した時、自分の残したセント=ヘレナでの記録を娘に遺贈した。彼女...
ダイイング・メッセージ
2008
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02
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17
ナポレオニック
セント=ヘレナにおけるナポレオンの発言についていくつか書いてきたが、ついでに気になっていることも少し調べてみた。ナポレオンが死の間際に言った「最後の言葉」はどんなものだったのか、そしてそのソースは何か。 ナポレオンの最後の言葉とされているものは、実は一種類ではない。ちょっとネットを探してみても「神よ、フランス国民、私の息子、軍隊の先頭」とか「フランス、軍隊、ジョセフィーヌ」あるいは「フランス軍の...
週記
2008
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02
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16
NFL
ジャンプ漫画早売りネタバレの前にNFLの話を少し。シーズンが終わって各チームからベテラン放出の話が出始めた。もはやこの時期の風物詩とでもいうべきだが、ファンにとっては感慨深い選手もいるだろう。たとえばMiamiのZack Thomas。Bruschiと同期で、かつ二人とも最初のチームで長くプレイを続けてきたが、やはり寄る年波には勝てないということか。ネット上ではNew Englandが彼を取るとの噂もあるが、正直脳震盪持ちの選手...
R・クロファードの報告 10
2008
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02
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15
ナポレオニック
皇弟殿下オーストリアのカール大公の司令部 オフェンブルク、1796年11月28日 閣下、 今月22日の戦闘以降、敵がかなりの戦力でキンツィヒ右岸の第一平行壕に対する出撃を行った26日から27日にかけての夜まで特筆すべきことは起こらなかった点を閣下に謹んでお知らせします。この攻撃で敵は約40人の死傷者を出してすぐに撃退されました。戦死者の中には大隊指揮官もいました。 第一平行壕の砲兵隊は、その右と...
街を歩く心軽く
2008
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02
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13
ナポレオニック
私の死後、そなたたちは皆ヨーロッパへと戻る幸せに恵まれるだろう。そこである者は親族と、またある者は友人と再会するだろう。そして私は「エリュシオンの野(死後の楽園)」で勇敢な戦友たちとまみえる。そう、クベレール、ドゼー、ベシエール、デュロック、ネイ、ミュラ、マセナ、ベルティエ、皆私に会いに来るだろう。彼らは私に、我らがともに何を成し遂げたかを話し、そして私は彼らに我が人生の最後を物語る。私を再び見...
元帥最後の戦い
2008
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02
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12
ナポレオニック
ナポレオンの元帥たちは皆、砲火を浴びた経験がある。君主自身が戦場から成り上がっただけあって、彼らの中に宮廷内の力関係だけで元帥の地位にたどり着いた者はいない。何をやったかほとんどの人が知らないペリニョンだって、その頭部には戦場で受けたサーベルの傷跡がはっきりと残っていた。 全員が実戦経験の持ち主ということは、彼らはいずれも人生のどこかの段階で「最後の戦い」を経験している筈だ。ではそのうち「最後の...
R・クロファードの報告 9
2008
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02
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11
ナポレオニック
皇弟殿下オーストリアのカール大公の司令部 オフェンブルク、1796年11月23日 閣下、 21日から22日にかけての夜、キンツィヒ右岸でケール前面の塹壕が開かれたことを閣下に謹んでお知らせします。この攻撃で対塁線右翼の右及び左側面から掘り始めた最初の平行壕とその連絡壕が夜の間に完全に完成し、夜明け前には兵たちは我慢できる程度に掩蔽されました。敵は作業を妨害しようと試みることなく、塹壕に対していま...
仏蘭西弐拾六元帥
2008
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02
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10
ナポレオニック
シェヘラザードさんがDelderfieldのNapoleon's Marshalsを翻訳し、出版するらしい"http://blog.livedoor.jp/sheherazade/archives/51123002.html"。ナポレオンの元帥関連本は海外にはよくあるが、日本語のものはこちら"http://w3.shinkigensha.co.jp/books/4-88317-885-4.html"のようなかなり薄い本しかないのが実情。自費出版でも日本語で読める本が増えるのはありがたいことだ。 元帥本によく紹介さ...
週記
2008
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02
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09
その他
アメフトもどきジャンプ漫画は多分早売りではないので最初からネタバレ全開。といってもプレイのシーンがほぼ皆無だったので特に言うべきこともないんだが、先行き暗雲が立ち込めているのが関西代表に関する話だ。嫌な予感はあったが、やっぱりタレントばかりを集めたチームらしい。これはつまり最後まで徹底してワンオンワンとか個人技しか描くつもりはないという作者側の宣告だろう。先刻承知のこととはいえ脱力感が募る。 そ...
hubris
2008
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02
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07
NFL
相変わらず仕事が忙しいのだがどうにかSuperbowlのスタッツは見ることができた。で、結論としてはこれはどう見てもNew Englandのオフェンスが悪い。第4Qに一応逆転したから最低限の仕事はしたかもしれないが、それでもディフェンスの頑張りをほとんど無にするような有様だったことは確かだ。敢えてディフェンスの問題を挙げるなら後半のパスディフェンス崩壊だが、高齢者主体のチーム作りをしている以上それは覚悟のうえの事態...
砕かれた剣
2008
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02
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06
ナポレオニック
アルコレ続き。今号の大陸軍戦報にはちょっとした挿話が紹介されている。アルコレの戦いの最終日、1796年11月17日の出来事だ。フランス軍の攻撃を支えきれずに退却を決断したアルヴィンツィに対し「オーストリアのある士官は剣を折って怒りを露にし、『二度と腰抜けの下で戦わぬ』と誓ったという」。今回はこの話の淵源を探ってみよう。 戦報の著者が具体的にどの本を論拠にしたのかまでは分からないが、遡ればこの話が...
救出
2008
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02
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05
ナポレオニック
アルコレの続き。沼に嵌ったボナパルトを助けた人物は誰だったのだろう。漫画では独力で脱出しているが、実際には他人の手を借りて引っ張りあげられたらしい。ナポレオン自身はセント=ヘレナで擲弾兵たちを「この勇敢な者たち」(Memoirs of the History of France During the Reign of Napoleon, Vol. III."http://books.google.co.jp/books?id=JW0uAAAAMAAJ" p362)と呼び、彼らに助けられたと話している。ベルティ...
Met their Waterloo
2008
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02
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04
NFL
という訳で第42回SuperbowlはGiantsの勝利。出張から帰ってきたばかりなので詳細は分からないが、ざっとスタッツを見た限りではGiantsのディフェンスが強かったというしかあるまい。今シーズンのNew Englandをたった14点に抑えたのはお見事。ターンオーバーは1回のみで、後は力で抑え込んだ格好だから素晴らしい。 もう一つ、実はEliは恐ろしいことを成し遂げたのではあるまいか。これまでのSuperbowlの歴史で、残り2分を...
内側か外側か
2008
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02
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03
ナポレオニック
ナポレオン漫画は無事にアルコレの戦いが終了。今回は随分とオージュローが目立っていた。まあ第一次イタリア遠征が終わってしまうと、後オージュローが目立てるのはアイラウくらいになってしまうので、今のうちに使い倒しておくのはいい手だろう。という訳でいつものように史実との比較を。 まず冒頭で沼地からボナパルトが逃げ出すシーンがあったが、そもそもボナパルトはどこの沼に嵌ったのだろう。漫画ではアルポン川にかか...
週記・徒労版
2008
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02
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02
NFL
日記ならぬ週記である。 アメフトに似た別物漫画の前にNFLについて。記録ずくめの今シーズンで、おまけにパーフェクトまで視野に入っているため全然話題になっていないが、BradyがAFCCGの勝利で公式戦先発100勝目を上げた。はあそうですかとスルーしそうなデータなのだが、実はこれ、かなり恐ろしいデータであることが調べてみたら分かったというか調べるまで分からなかった私はNew Englandファン失格かもしれない。 Bra...
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desaixjp
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「終わりと始まり ―火薬革命の900年―」
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