祖国は危機にあり(La patrie en danger) 関連blog
続・1815年6月18日昼 オーアン街道
2006
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04
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30
ナポレオニック
承前。 De Lacy EvansとMuterはいずれも騎兵の前進時に歩兵部隊が騎兵部隊を通り過ぎていったと述べている。つまり、歩兵は騎兵と反対方向(後方)へ移動していたわけだ。WyndhamとCrawfordは歩兵(第92連隊)が退却していたと記しているし、Clark Kennedyは歩兵が稜線付近で大混乱状態に陥ったのを確認している。要するに騎兵部隊から見た歩兵部隊は混乱し、騎兵部隊の周囲を後ろへ向かって移動していたのである。 これに対...
1815年6月18日昼 オーアン街道
2006
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04
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30
ナポレオニック
「突然、そしてまるで命令が与えられたかのように同時に、全[バイラント]旅団が崩れ踵を返して逃げ出し、丘へ登って生垣と道路を乗り越えていった。奔流の中にいた死に物狂いの兵たちは彼ら自身の予備大隊とその背後にいた砲兵を押し流し、あちこちで英国兵とぶつかった。英兵たちは彼らに非難とブーイングを浴びせ、彼らを撃つのを自制しなければならなかった」David Howarth "Waterloo: A Near Run Thing" p66 デル...
週記
2006
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04
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29
その他
日記ならぬ週記である。 NFLはいよいよドラフトが迫ってきたところ。逆に言えば相変わらず目新しいニュースはない。そしてアメフト漫画はGWのため休み。このままでは書くことが全くなくなってしまう、と懸念していたのだがよく考えればちょうどナポレオン漫画の新しいのが出たところなのでこの話をすることに。 今回はヴァンデミエールのクライマックス。展開は基本的に予想の範囲内だが、釘やら散弾やらを放った場合、最...
突撃……してはならない
2006
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04
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26
ナポレオニック
「今だ! スコッツ・グレイ! 今だ!」Napoleon!"http://kodaman-empire.kir.jp/Napoleon/nh.html" Waterloo Screenplay Scene 38 映画ワーテルローにおけるスコッツ・グレイの突撃は、葦毛の馬をあれだけ集めたという事実も含めて実に華々しい場面である。ただ、誰に向かって突撃しているのかがさっぱり分からないところが「玉に瑕」ではあるが。 おそらく監督は"Scotland Forever"と題されたこの絵"...
勇将(?)マックの冒険
2006
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04
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23
ナポレオニック
フランス革命戦争初期に高い評価を得たものの、後にはその評判がどん底まで落ちたのがオーストリアのマックだ。1793年のネールヴィンデンでは勝利の立役者と言われ、1805年のウルムでは敗北の責任を問われ軍法会議にかけられた。彼の不幸は、ナポレオンにかかわったのがそのウルムだったこと。歴史書で取り上げられるのはウルムの話ばかりで、後の時代からひたすら無能なだけの人間だと思われてしまった。 ただ、この時...
週記
2006
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04
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23
NFL
日記ならぬ週記である。 今週もアメフト漫画早売りネタバレあり。 まずNFLだが、実はドラフト直前で動きが少ない。ドラフトで誰を取るかがずっと話題になっているが、重要なのは誰を取るかより取った選手が活躍するかどうか。ドラフト1巡上位だと契約コストが高くつくという傾向はあるものの、ドラフト当日時点で騒いでもあまり意味はない。大切なのは9月以降なのである。 というわけで早々にアメフト漫画の方だが、こち...
色僧
2006
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04
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21
ナポレオニック
ナポレオン漫画の外伝。今回は大方の予想通りミュラだった。若いころの話ということでどれほど史実を反映しているのかは分からないが、まあ気にする必要もあるまい。とりあえずお調子者のナルシストとして描かれているが、これは一般的な彼のイメージ通りだろう。 その性格はともかく実績はどうだったのだろうか。こちら"http://www.napoleon-series.org/research/commanders/c_twenty.html"にナポレオン配下の騎兵将...
週記
2006
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04
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16
NFL
日記ならぬ週記である。 今週もアメフト漫画の早売りネタバレあり。 その前にNFLだが、ドラフト前の比較的静かな時期が続いている。New Englandで目立った補強はSのTebucky Jonesが久しぶりにチームに復帰したことくらいか。GayとSeymourの契約延長という話もあるが、それ以外のロースターがどうなるかはドラフト待ちという感じだろう。昨年は失敗に終わったPioliの人事政策がどうなるか注目だが、結果が出るのは結局シー...
続・こぼれ話
2006
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04
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13
ナポレオニック
「こぼれ話」の続き。ボナパルト将軍が捕まりそうになってかろうじて逃れたという話は、一般的には以下のように紹介されている。「6月1日[日付は本によって異なる]のある時、ボナパルトはヴァレッジョの村で彼を奇襲したゼボッテンドルフ師団の斥候によってほとんど捕まるところだった。将軍[ボナパルト]は安全な場所にたどり着くまで片方のブーツのみを履いていくつかの塀を越えて逃げなければならなかっった」 Chandler...
いけない、あの人が帰ってきたわ
2006
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04
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12
ナポレオニック
グレアムの本の続き。彼によるとボナパルト将軍は1796年のイタリア戦役において2度、連合軍に捕獲される危険にさらされたという。 うち1回は7月31日のガルダ湖畔での出来事。オーストリア軍がブレシアとペシェーラを結ぶ街道沿いに待ち伏せをしていた時、ボナパルトとベルティエが幕僚を連れてブレシアから戻ってきた。最初に待ち伏せ箇所へさしかかったのは3人の騎兵。待ち伏せしていたオーストリア兵は彼らを狙撃し...
近代デジタルライブラリー
2006
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04
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11
ナポレオニック
近代デジタルライブラリー"http://kindai.ndl.go.jp/"がリニューアル。新たに6万7000冊分のデータが閲覧できるようになっただけでなく、分類別の検索なども可能になっている。どうやら著作権の行方が曖昧になっていた文献に関して文化庁長官裁定で公開が可能になったようだ。これで多少はGallicaに近づいたという感じか。 で、さっそくナポレオニック関連で目に付いたものをいくつか紹介しよう。まずは「軍制要...
トーマス・グレアム
2006
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04
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09
ナポレオニック
Thomas Grahamの書いた"A Contemporary Account of the 1796 Campaign in Germany and Italy"を読んでいる。カール大公、ジュールダンに次いで1796年のドイツ戦役を記したものはこれが3冊目であるが、前2者の本が出版時期が遅いとはいえ当事者の書いたものであるのに対し、グレアムの本は正確に言えば二次史料である。 グレアム自身はこの時、英国からの派遣将校としてイタリア戦線にいた。彼はボナパルト相手...
映像作品いくつか
2006
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04
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08
その他
今回は最近見た映像作品を。まずは「惑星大怪獣ネガドン」だ。ネットで感想が書かれていたように物語面では「内容は無いよう」だが、そんなことを気にしていても意味はない。この作品はとにかくCGを使って作り上げた特撮風の映像を楽しむこと、そして無駄にレトロな風景を見て「こんな2025年があるかい」とテレビ画面に向かってツッコミを入れることがキモだ。 それにしても、最近のCGは個人製作でここまでできてしまう...
週記
2006
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04
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08
NFL
日記ならぬ週記である。 今週もアメフト漫画の早売りネタバレあり。 まずNFLでは2006シーズンのスケジュールが発表された。昨シーズンはリーグ最弱になってしまったAFC東は、シーズン前半に地区内対決が集中。ま、そりゃそうだわな。我がNew Englandも@Miamiを除けば地区内対戦は11月前半までに終わってしまう。 それだけではなくDenverやIndyとの試合もシーズン中盤までにおしまい。終盤に待ち構える強豪と言え...
造反
2006
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04
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04
ナポレオニック
ドイツでの1796年戦役はフランス軍にとっては災難だった。わけてもフルーリュスの戦い以降、ずっと栄光ある前進を続けてきたサンブル=エ=ムーズ軍の士気に与えたマイナスの影響は大きかったようで、Nafzigerによればネイの回想録にも軍の士気が低い状態にあったことが明言されているという。 そうしたマイナス面が如実に表れたのが、ナープ河からの退却途中に起きた将軍たちの造反だろう。この造反は広く知られていたよう...
続々・カール大公のドナウ渡河
2006
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04
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02
ナポレオニック
カール大公の本を読み終わったので、今は1796年戦役に関するジュールダンの本を読んでいる。 前回書いた話では、モローが8月20日付のジュールダン宛の手紙を書いた時点でカール大公のドナウ渡河を察知していたのではないかと指摘した。手紙を受け取ったジュールダンも同じことを感じていたようで、「ジュールダンは[カール大公を追撃するという]約束の効果が現れるまで後退開始を待つのが彼の義務だと思った」としてい...
週記
2006
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04
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01
NFL
日記ならぬ週記である。 今回もアメフト漫画の早売りネタバレあり。 まずNFLだが、New Englandはあの後、さらにRBのEvansとSのGus Scottと契約した模様。Evansについては文句はないが、Gus Scottはどうなのだろうか。これまた昨シーズンに崩壊したパスディフェンスの責任者の一人である。先発は当然ないだろうが、控えとしても正直私はあまり信用していない。 次にナポレオン漫画。今回はヴァンデミエールなのだが、一...
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「終わりと始まり ―火薬革命の900年―」
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