祖国は危機にあり(La patrie en danger) 関連blog
不敗の(?)グーヴィオン=サン=シール
2006
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03
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30
ナポレオニック
ナポレオンの元帥たちの中で、現代において一番有能だと思われているのがダヴーであることはよく知られている。ただ、海外では他にも高い評価を得ている元帥がいるようで、その一人がグーヴィオン=サン=シールだ。 かなりマニアック(らしい)な回想録を残し、Phippsの本などで好意的に紹介されているグーヴィオン=サン=シールだが、中でも目立つのは英語版のWikipedia"http://en.wikipedia.org/wiki/Laurent%2C_Marqu...
続・カール大公のドナウ渡河
2006
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03
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29
ナポレオニック
カール大公の書いた1796年戦役本に関する続き。前回、カール大公のドナウ渡河に対するモローの反応が鈍かったことを記したが、同時代人はむしろその後のモローの対応に対して批判を浴びせているようだ。 たとえばカール大公自身は「対照的に、もし大公がドナウ河を渡りジュールダンの前面でヴァルテンスレーベンと合流したのであれば、モローによるバイエルンへの行軍は、何より彼の敵がインゴルシュタット要塞に腰を据えて...
論文集
2006
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03
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28
その他
「戦争の本質と軍事力の諸相」石津朋之編 2年前の本だがネットで高い評価がなされていたのと、何よりマーチン・ファン・クレフェルトの論文が収められているのが理由で購入した。結論から言うと評価は微妙である。 まずクレフェルトの論文だが、正直短すぎる。結論についてはそうかもしれないと思う反面、その説明が十分になされていないという印象が強い。何より非国家組織が国家を相手に遂行する準通常戦争が有用である理由に...
マレンゴ ベルティエの報告
2006
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03
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26
ナポレオニック
以下に翻訳したのはマレンゴの戦い(報告書内ではサン=ジュリアーノの戦い)に関する予備軍指揮官ベルティエの報告書である。予備軍の事実上の指揮官は第一執政だったが、名目上はベルティエが指揮官となっていた。 書かれたのはマレンゴ会戦当日の夜9時で、フランス側の史料としてはおそらく最も時間の早いものだろう。会戦直後の司令部がマレンゴの戦いについてどう認識していたかを知るうえで興味深い。同時にボナパルトに...
週記
2006
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03
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25
NFL
日記ならぬ週記である。 今回もアメフト漫画の早売りネタバレあり。 その前にNFLだが、我がNew England PatriotsではさらにVinatieri、Ashworthが流出。AshworthはSeattleだからあまり関係ないような気もするが、Vinatieriの行き先はIndianapolisだったりする。どうやらVanderjagtはお役御免のようだ。それにしてもVinatieriの後任は誰にするつもりだろうか。彼のおかげでキッカーだけは悩まなくていい時期が長く続いたが、...
WBCの「収支報告」
2006
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03
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23
その他
決勝トーナメント進出が決まっていきなり世間の話題の中心になったWBC。優勝できそうになるや否や急激に盛り上がったあたり、現金なヤツらが多いことを如実に示している。そもそも世界一と大騒ぎしている連中の中でWBCを最初からまじめに見ていたのがどのくらいいるのだろうか。早速調べてみた。 まず1st roundだが視聴率を見ると日中戦(金曜夜)が18.2%、日台戦(土曜夜)が20.3%、そして日韓戦(日曜夜)が18.5%だ...
カール大公のドナウ渡河
2006
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03
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21
ナポレオニック
1796年。後の歴史書においてはボナパルト将軍の第一次イタリア遠征が行われた年として認識され、彼が率いるイタリア方面軍の戦いぶりが色々と紹介されることになる。だが、現実にこの年、同時代人が注目していたのは二次的戦線に過ぎないイタリアではなく、フランス軍とオーストリア軍主力がぶつかるドイツ方面だった。そこで勝利をつかんだのがオーストリアのカール大公だ。 皇帝の弟で若きボナパルト将軍よりさらに2歳年...
グンビンネンのネイ
2006
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03
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18
ナポレオニック
1812年12月15日 グンビンネン「中將ドマス曰ク吾クンビン子ンニ在リシ時一朝髯長ク色衰ヘ汚外套ヲ着ケテ我室ニ入ル者アリ吾ニ向テドマス君吾辛クシテ此所ニ来レリ卿吾ヲ記スルヤト云フ吾記セスト答フ彼吾ハ我カ軍ノ殿ナリコーフー橋ニ於テ銃ヲ發スル吾ヲ以テ最後トナスニーメン河ニ兵噐ヲ投棄スルモ亦吾ヲ以テ最後ト爲ス吾林中跼蹐シテ今僅ニ此ニ逹シタリ吾ハ大將子ーナリト云ヘリト」英人某「拿破崙第一世傳」 近代デ...
週記
2006
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03
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18
NFL
日記ならぬ週記である。 今回はNFLの話。それとアメフト漫画も早売りネタバレで書いておく。 転勤もあり、ここしばらくろくにフォローしていなかったNFLの情勢だが、気が付くとDavid GivensとWillie McGinestがチームを離れてしまった。Givensはどうやらサラリーで合意できなかったのが理由、McGinestは年齢も年齢なので仕方ないだろう。 McGinestといえばParcells時代は「未来のLT(Tomlinsonじゃないぞ)では」と期...
「本能寺」本
2006
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03
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17
その他
「信長は謀略で殺されたのか」鈴木眞哉・藤本正行 どうも鈴木氏の本は安いのでつい買ってしまう。それに今回はいつもの「軍忠状」ではなく本能寺に話を絞ったもののようなので、どこかで読んだぞ感が少なくて済むだろうと思ったのも事実。書かれているのは要するに「本能寺は誰かの謀略ではなく明智光秀の単独犯行」という話だ。 正直、私はこの時代には詳しくない。以前、ピンポイントで鉄甲船について当時の日記など調べてみた...
デュムリエ対ダヴー
2006
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03
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12
ナポレオニック
1793年4月4日 オドム近傍 ナポレオン~獅子の時代~の外伝"http://www.shonengahosha.co.jp/ours/ours.html"でも紹介されていたが、1793年に北方軍指揮官デュムリエが裏切った際にダヴーが指揮する志願兵大隊が彼に向かって発砲したという話がある。このこと自体はおそらく史実だが、細部については研究者によって書いていることが違うので注意が必要だろう。 入手しやすい本としてはJohn G. Gallaherの...
阿蘭陀風説書5
2006
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03
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11
ナポレオニック
1809年(文化6年)には風説書と並んでオランダ商館長が「隱密申上候横文字」の翻訳もある。和蘭風説書集成の參考史料にはそれも掲載されており、欧州情勢についてもう少し詳しい説明がなされていたことがわかる。 まず出てくるのが「伊祇利須國よりデー子マルカ國に攻來申候、右デー子マルカ國は兼而軍事に預らす、何れの國にも荷擔不仕候國にて、更に備も無之所、不慮に伊祇利須人押寄せ、デー子マルカ國之内セーラントと...
週記
2006
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03
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11
その他
日記ならぬ週記である。 まずアメフト漫画だが引越し先で早売りジャンプを発見。よって以下はネタバレになる。 と言っても前号で宣言していた通り、ドラゴンフライが出てきただけ。日大の体を張ったギャグ戦術とも言われるドラゴンフライだが、どの程度リアリティのある描写がなされていたかは不明。ただ、雰囲気的にはsingle-wingと近いところもある。ということはsingle-wingもギャグ戦術の一つということかも。 とはいえ、...
阿蘭陀風説書4
2006
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03
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04
ナポレオニック
承前。 1808年(文化5年)、この年は「阿蘭陀船入津無之」とオランダ船はやって来なかった。だが、同時に新しい情報が幕府に届けられてもいる。和蘭風説書集成には「參考史料」として以下のような文章が掲載されているのだ。 「去夏之頃よりフロイス(ホーレン國ノ内)トイツ國スウーテ國(ロシヤノ屬國)一致仕フランス國に押寄來候に付、和蘭國之儀はフランス國之隣國にして年來通信仕候故フランス國に一致仕及合戰候處...
阿蘭陀風説書3
2006
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03
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04
ナポレオニック
承前。 1800年(寛政12年)。どうやらオランダ風説書を送っていた連中は前年まで記していた「フランス國とトルコ國一致仕リユス國と及合戰」という話をなかったことにする作戦に出たようだ。この年の風説書からこの戦争に関する記述が消滅。もう一つの注目点である「ヱゲレス國より阿蘭陀國へ押寄合戰におよひ」の部分をフレームアップすることで東地中海方面の戦争については口を拭って黙り込んでしまっている。なかなか...
阿蘭陀風説書2
2006
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03
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03
ナポレオニック
承前。 続く1794年(寛政6年)では、まず「去年申上候フロイス國ドイチ國戰爭平和仕候由本國より申越候」と前年に伝えた情報のうち明らかに事実に反する部分を手直ししている。実際にはそもそも戰爭していないのだから「平和仕候」も何もないのだが、一応真面目な外交文書だから体裁を整えたのかもしれない。 もう一つ、「フランス國臣下之者共徒黨仕、國王并王子を弑し國中亂妨におよひ申候に付、阿蘭陀國其外近國よりも...
阿蘭陀風説書1
2006
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03
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03
ナポレオニック
しばらく前、伊能忠敬がオランダ風説書を読んでいたという話が新聞に載っていた。しかもどうやらナポレオン戦争に関して書かれたものだったらしい。それは興味深い、という訳で日蘭学会、法政蘭学研究会編の「和蘭風説書集成」を図書館から借り出し、フランス革命からナポレオン戦争に関連する時期の記述を調べてみた。 まず、風説書は基本的に年に1度書かれていたことが分かる。どうやら毎年やって来るオランダ船の情報を幕府...
お知らせ2
2006
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03
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03
お知らせ
日記ならぬ週記である。 嫌な予感的中。どうも新住居からはasahi-netに接続できそうにない。いやー、念のために緊急避難blogを作っておいて良かった。というわけで、当面は「祖国は危機にあり」も含めてこちらの方で更新していく。ついでに近況というか漫画の話。 まずアメフト漫画だが、ヒッチパスをインターセプトされていた。それはいいのだが、普通ヒッチパスをインターセプトされると大きなリターンにつながることの方が...
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「祖国は危機にあり」へのリンクはこちら
「終わりと始まり ―火薬革命の900年―」
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